腐った世界に捧げる賛歌
(シリアス?)



※孤児院時代リドル
 姫=リドルの幼なじみ(?)






「世界は綺麗にならないのかな」


院内のこざっぱりとした部屋で
本を読んでいた少年、リドルが
ぽつりと一言つぶやいた


「うん、多分ね」


その少年の肩にもたれながら
少年が読む本をぼんやりと眺めていた
少女、姫が返した


リドルが本をパタリと閉じ
姫を見つめて問うた


「どうして?」


姫はリドルの肩から離れて
同じく彼を見つめて答えた


「そんなの私だって分からないわ」


姫の言葉を聞いたリドルは
つまらなさそうに
ふぅん、と漏らして再び本を開いた

すると、すかさず姫は
でもね、と続け
リドルの開いた本を優しく閉じた


「きっと世界は昨日も今日も明日も明後日も、汚くて嘘だらけで間違いだらけよ、絶対」

「“きっと”なのか“絶対”なのか分からないよ」

「そうね、私も分からないわ」

「自分で言ったくせに、馬鹿だな姫は」


リドルと姫は
どちらからともなく笑いだした


「世界ってきたないね、だから」


一通り笑いきったのか
リドルは笑うのを止め
真っ直ぐに姫を見つめて言った


「いつか僕が姫に綺麗な世界を見せてあげるよ」


一瞬きょとんとした姫だったが
すぐに微笑み言い返した


「楽しみに待ってるわ」

─素敵な世界にしてね?


姫はリドルに抱きついて
再びクスクスと笑いだした


腐った世界に捧げる賛歌


(きたないせかいにさようなら)




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