再会予定(切?/甘?/死/血)








((惣右介、危ないっ!!))

「っ…!!」

つい今しがたまで白いソファで
仮眠をとっていた男、
藍染惣右介は
がばり、と起き
真っ白な部屋を見渡した

「…夢、か」

こんな自分でも夢をみるのか
と自嘲がもれた

「それにしても、実に懐かしい夢だった…」


夢に出てきた
少し前まで自分の後ろに
必死についてきていた女、
姫は、今はもういない

夢の中、
真っ白な世界に彼女がいた
しかし、次の瞬間、
真っ白な世界は一面の赤に変わり果て
目の前には姫が倒れていた

それはあの日を、姫が死んだ日を
再現しているかの様だった



***



藍染等が離反して
しばらく経った頃だっただろうか
彼はたまたま死神達、
それも下位席官数名に遭遇した

暇潰しに相手でもしてやろうか
藍染が頭の隅で
そう考えていた時だった
その死神達の中では
強い霊圧をした人物が
彼に斬りかかった

避ける必要すらない程の
力の差があった
だから藍染は一歩も動かなかった
それなのに

「惣右介、危ないっ!!」


肉を裂く音

鉄臭いニオイ

赤い飛沫

目の前で崩れ落ちるカラダ


気が付くと辺りは一面血の海で
その中で唯一の白、藍染は
腕にぐったりとした姫を
抱きかかえていた

あの死神達は赤に飲み込まれ
跡形もなくなっていた


「姫…何故、出てきたんだい…?」

藍染の問い掛けに答えはない

「…姫」

藍染の腕の中にある姫のカラダは
どんどんと透けていき
最後には何も残らなかった

一面の赤の中
唯一の白は立ちすくんだ



***



「本当に、随分と懐かしい夢だった…」

藍染は髪をかきあげ
一度瞳を閉じ、軽く身仕度をして
部屋を出た


「彼女がいなくなったことは、大したことではない。宝玉が完成すれば、また会えるのだからね」

藍染の呟きは長い廊下に消えた



─再会は、近い


                   
水羽様

リクエストありがとうございました
(´▽`*)
少しでも気に入って頂ければ幸いです
ありがとうございました!





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