あなたはだあれ(切?/パロ)


※転生パロ






目が覚めた

帰宅してすぐに
そのままベッドにダイブしたせいで、
制服にはシワがついていた

アイロンかけなくちゃ、と
頭の隅で考えて
それから今何時かと考えた

覚醒したばかりの頭を動かして
開けっ放しの窓を見てみれば
外は真っ暗だった

ぴゅう、と夜風が入ってきた
なるほど、道理で寒いわけだ
ひんやりとした空気を
肺いっぱいに吸い込んで、吐き出した


ふとベッドの隣が気になった
もちろん何もない

しかし、何かがあった気がする
“誰か”がいた気がするけれど、
“誰か”がいたという形跡はない
それもそうだ、そもそも、
隣には誰もいなかったのだから


夢の中で見た青い羽織が
チラリと思考を横切った

あれは誰だろう
知っている気がする

顔は見えなかったけれど
確かに私に笑いかけていた

視界が滲んだ
瞼をこすると手の甲が濡れた
別に何も悲しくないのに涙が出た
自分の涙腺は壊れたのかと一瞬疑ったが
そうではなさそうだ

青い羽織が頭の中ではためいていて
誰かが私に笑いかけていた
たったそれだけなのに
たかが夢なのに
胸の奥がきゅうっとなった
それで涙が出た

とっても暖かい夢で
私は幸せだった


だけど、一つだけ
一つだけわからないことがある
私に笑いかけていた、
隣にいたはずの

あなたはだあれ




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