窓際の恋(甘?/パロ)


※学パロ






教室の隅、窓際の一番後ろの席で
大した量もない黒板の文字を
ルーズリーフに書きなぐっていたら
ポキリとシャープペンシルの芯が折れた

小さく舌打ちをして
折れた芯を指先で弾き飛ばした
床に落ちたそれは
すぐにどこに行ったかなんて
わからなくなった

青年期がどうのだとか
ピーターパン症候群がどうだとか
そういった話を
右から左に聞きながら
ふと窓の外を見てみた

窓ガラスの向こうにはベランダがあって
さらにその向こうにはグラウンドがある

グラウンドでは、
どうやら隣のクラスの男子が
サッカーの試合をしているらしい
意識を外に集中させれば
微かに声が聞こえた
とは言っても
何を言っているかまでは聞こえない
まあ、大方パスの指示やら
ポジショニングの指示やらを
しているのだろう


何だか面白くなって
そのまま見ていたら
オレンジの髪をした男子が
ドリブルでゴールに近付いていっていた

誰かが止めようと邪魔に入るが
スルリとかわしてどんどん進んでいく
そしてそのままシュートした

蹴り出されたボールは
かなりの勢いで
ゴールの中に吸い込まれていき
ピーッと笛が鳴った

すごいな、と思って
しばらくその男子を見ていたら

ふいに彼がこっちを向いた

目が合った気がした

びっくりして目を反らせずにいたら
彼がピースをした

ますます訳がわからなくなって
“私?”と自分を指差して
首を傾げてみると
その男子は大きく頷いて
ニッコリと笑った

それから口パクで何かを言って
また走って行った

急に恥ずかしくなって
私は机に突っ伏した


しばらくして
授業終了のチャイムが鳴った

「あ、次の授業って教室移動か…」

鞄から必要な物を出して
廊下に出て歩きだせば
後ろから肩をガッシリと掴まれた

振り返ってみると

「俺様、佐助って言うんだ。よろしくね姫ちゃん」

そこには先程のオレンジの髪をした男子、
佐助君が満面の笑顔で立っていた


どうして私の名前を知っているか
なんてわからなかったが
彼の笑顔で心臓が煩くなった
そのことだけはわかった



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