再会を求めて(切?/死/パロ)


※転生パロ






六条河原…─
そこはかつての私、
西軍大将石田三成と
ある女が処刑された場所だ


今の世で
“天下分け目の関ヶ原”
と聞いて分からない輩は
恐らくいないだろう

その戦国の乱世の終わりの戦で
西軍は敗北した

そして、戦友であり
私の特別でもあった女、姫は
私と共に東軍に捕縛され
六条河原にて斬首された

斬首される直前に
姫は言った
来世こそ幸せになろう
だから次は来世で会おう、と

私はその時の女の表情も、声も、
一度たりとも忘れたことはない


自身の首が落ち、
何も感じなくなって
気がついたらこの時代にいた

物心がついたのとほぼ同時期に
私は前世の記憶を得た

それから私は
“来世で会おう”と言った
あの女を探しながら待ち続けた


だが、あの女は一向に現れない


この時代には
秀吉様も半兵衛様も刑部も
あろうことか家康すらもいるというのに
何故、姫だけが現れないのか
私は不思議で仕方がなかった


それでも私は待った
何年も、何年も


姫が私との約束を破るなど
私を裏切るなど絶対にあり得ない

だから私は待った
何十年も、何十年も


それでもやはり
女は現れなかった


“来世で会おうね”
そう言ったくせに
結局女は、現れなかった


そして、ふと気が付いた

女の言う来世とは、
この時代ではな
かったのかもしれない

そうなると、
なるほど、道理で会えない訳だ
ならば、こんな時代に意味はない


今生では会えなかったが
次はきっと会える
会ったら私を待たせた罰として
斬滅してやる

そう信じて、そう誓って、
私は女を探しに行くために
首筋ににび色の終わりを押し付けた
そして静かに目を閉じ、
一気に引いた


再会を求めて



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