今日は何の日?(甘?/ギャグ?/パロ)


※11月11日ネタ 学パロ






─スパンッ

勢い良く開かれた図書室の入口

「あなたも私もポッキぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

叫びながら物凄い勢いで
入室してくる女子生徒、姫

「煩いぞ姫」

そんな彼女とは反対に
興味なさげに軽くあしらう
本から一切目を離さない
図書委員会委員長、毛利元就

図書室で騒ぐ者は容赦なく叩き潰し
屋上で太陽に向かって
土下座をさせている
という噂がある彼は
一部からは恐れられている

しかし、頭の良さは学園随一
俗に言う天才である
そのため、一般生徒からは
かなり人気がある

が、ドライな性格である元就に
話しかけようとする者は
ほとんどいない

そう、姫を除いて


「元就、問題です!今日は何の日でしょう」

図書室で騒げるのも
彼を呼び捨てにできるのも
この学園内で姫だけだろう

「制限時間は10秒です、スタート!」

元就は姫の問いに
呆れたように溜め息をつき
読みかけていた本をパタリと閉じ
答えを口にした


「貴様は馬鹿か?電池の日に決まっておろう」

「…は?」

しかしその答えは
姫が考えていたものとは
まったく違った


「だから電池の日だと言っているのだ」

「え?何で電池の日?」

まったく分からない、と
目を白黒させている
見かねた元就は小さく舌打ちをし
紙とペンを取り出した


「愚鈍な貴様でも分かる様、我が図解してやろう」

さらさらと紙に文字を書く
そこには“十一月十一日”
と書かれていた


「…で?」

「馬鹿め。こうするのだ」

元就は続けて
月と日を二重線で消した

「えーっと…十一十一」

「プラスとマイナスであろう。よって電池の日なのだ」

「あ、ホントだ!元就すごい!!」

手を叩いて誉める姫に
このくらい常識よ、と言う元就


「でも、ハズレ。今日はポッキーの日でした!」

「何故だ」

「1がいっぱいあるから…?」

「菓子会社の策略に釣られるとは、実に不様なこ、むぐっ…」

喋っていた元就は急に
口に入ってきたポッキーによって
言葉を止められた

「お裾分け!」


口に広がるほのかな甘さと
太陽の様に笑う姫に
不覚にもときめいたというのは
元就だけの秘密である



─今日は何の日?
 電池とポッキーの日!


(貴様、ここを何処だと思っておる)
(図書室でしょ?)
(飲食は許可されていな、むぐっ…)
(まあまあ、今日くらいいいじゃん、ね?)



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