リーケージ (切?)


※姫=正臣の幼なじみ






幼なじみと歩く池袋のど真ん中
至るところに
黄色や青、緑や紫が見える
所謂カラーギャング

「ねぇ、正臣」

隣を歩く幼なじみとて
例外ではない

「何?」

「もう危ないことしないでよ」

彼の首元には
黄色いバンダナみたいな布

「やだなー、姫ったら何のこと?」

「黄巾属」

正臣は最近、巷を騒がせている
カラーギャングのリーダーだと
私は知ってる


「…姫は気にしなくていいんだ」

だけど彼は何も言ってくれない

「何で?」

「何でも」

「何でもって…そんな危ないこと」

しないでほしいのに

「っ姫には関係ないだろ!?」

何を考え、何を思っているのか
何もわからない
昔はなんでも話せたのに

「…もういい」

正臣は変わってしまった


***


久しぶりに仕事が休みだった
だから何のあてもなく
ただフラフラと池袋を歩いてみた

数年前、巷を騒がせていた
カラーギャングが
表に出てくることは
かなり減った


私は一人、人波の中を
フラフラフラフラ
あてもなく、あてもなく


「っ姫!?」

いきなり腕を捕まれた
勢い良く振り返り足を振り上げた

仕事柄、命を狙われることもある
と雇い主に言われていたから
遂にその日がきたかと思ったのに

「ちょっ、ストップストップ!!」

「まさ、おみ…?」

そこにいたのは幼なじみだった
最後に会ったのはいつだったか

「そうそう!モテる男、紀田正臣!!」

「…何の用?」

できれば二度と会いたくなかった

「何の用って…幼なじみに声掛けるのに用事が必要なのか?」

「はぁ…もういい」

はやく帰って
私を見ないで

「…なんか、雰囲気変わったな」

「気のせいじゃない?」

「折原臨也の所で働いてるって本当なのか?」

「関係ないでしょ?」

「あのなぁ…」


「…正臣の前では何の計算も策略もなく自然に笑える私のままでいたいの」

だから、もう関わらないで

「バイバイ」

「ちょ、待てって!姫!!」


私は人波に紛れた



あなたの前では
何の計算も策略もなく
自然に笑える私でありたいの
だから、追いかけてこないで

私は変わってしまったから








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