読みかけの本(ほのぼの?)








とある資料を探しに
図書室に行った


そして、ふと思った
そういえばうちのクラスの
作曲家コースの女性
名前は確か姫と言っていただろうか
彼女は図書室の常連だと聞いた

入学してまだ数週間だが
彼女の勤勉さには目を見張るものがある

ピアノもできると聞いた
一度話してみたい、そう思った
だから図書室で会えればいいと
淡い期待を抱きながら足を進めた


図書室につき、資料を探しながらも
彼女を探してみた

しかし彼女の姿はなかった
その代わりに、ノートと本が
図書室の片隅にあった

ノートの表紙には綺麗な文字で
彼女の名前が書かれていた
間違いなく彼女の私物だろう
おそらく、本も

ちらりと本のタイトルを見てみると
自己紹介の時に
とても好きだと言っていた本だとわかった

栞も挟まっているから、何度も何度も
繰り返して読んでいるのだとも分かった
しかし、それにしては傷みが見られない
大切に扱っているのが感じられた


ここにあることを
伝えた方がいいだろうか
いや、きっともう寮で休んでいるだろう


─明日、渡そう

そう決めて資料と
彼女の本を抱えて図書室を出た








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