甘い毒 (切/甘/微裏?)
※姫=拓麻の妹
禁断の?兄妹愛
二人きりのベッドの中
私は隣で私の頭を撫でている人に問い掛けた
「ねぇ、お兄様」
「どうしたの、姫?」
「どうして私達はキョウダイなのかしら」
頭を撫でる手がピクリと跳ね
止まった
「…どうしてだろうね」
頭を撫でていた人、
私の実のお兄様は
その綺麗な碧色の瞳を
切なげに伏せた
「どうして私はお兄様の妹なのかしら、私がお兄様の妹じゃなければ、お兄様と─」
「言わないで」
“お兄様と結婚できたのに”
続くはずだった言葉は
お兄様の唇に止められた
「ん…っ」
深い深い口付け
わずかに唇が離れる隙に
息を吸って、
お兄様の首に腕を絡める
離れないでと伝えるように
どのくらい経っただろう
唇がそっと離れた
お互いの唇と唇を結ぶ銀糸が
つぅと伸びて
ぷつり、と切れた
「拓麻…」
普段は呼ばない名前を呼ぶ
それは“愛して”のサイン
「姫、愛してる、どうしようもないくらいに愛してるんだ…」
私と同じ色をした
切なげな瞳から、
柔らかな唇を割って出てきた
少し掠れ気味な声から、
お兄様のすべてから、
目が離せなかった
「あっ…」
首筋に突き立てられた牙
血を飲まれている
それだけなのに
身体中が、やけに熱かった
─甘い毒
イケナイコトと知りながら
お互いを食い潰す様に愛し合って
その先には何があるんだろう
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