そういうことかい?(切?)


これの神宮寺視点
 姫=神宮寺のパートナー






最近、姫の様子が変わった
何が変わったか、それは
今まで見向きもしなかった俺に
その可愛らしい瞳を向けて
必死に目で追っている
ということだ

俺は姫から
あまり好かれていない
一応パートナー
そんな素っ気ない感じだった


お互いにお互いのことには
干渉しない、詮索しない
練習は毎日しない
だけど、やると決めたら必ずやる

そう決めてやってきた
やることさえやっていれば
文句を言われることはなかった

ボスやリューヤさんも認める程の
実力を持つ姫は、パートナーとして
一切不足はなかった

今までも、これからも
この“ただのパートナー”という関係は
崩れることはないと思っていた
そして、
それを残念に思う俺がいた
しかし、
仕方ないことだと割り切った


なのに、何故、
今更になって彼女の瞳は
俺に向けられているのか

ただのパートナー
お互いのことには干渉しない
そういう約束、だろう?


淡い期待が沸き上がる

俺はレディ達に別れを告げて
姫の元へ向かった

「やけに熱い視線を感じると思ったら…どうしたんだい、レディ?」

「…別に熱い視線なんて送ってない」

「そうかい?」


かなり不機嫌そうな表情と声色
何かに苛ついている
そんな感じだ


「神宮寺、あんた自意識過剰過ぎるだろ。あと、私の名前は“レディ”じゃないから」

「…姫、何故そんなに不機嫌なんだい?」

「本当にわからない?」


心当たりがない訳ではない
俺が、レディ達に囲まれていたから
俺が、パートナーである彼女んりも他のレディ達を優先していたから
俺が、姫を他のレディ達と同じ様に
“レディ”と呼んだから

俺が、俺が…

しかし、こんなものは
都合のいい勝手な考えだ
姫が俺に興味を持っているはずがない
わかっている

それでも、
期待してしまうんだ
姫の苛立ちの理由が
俺であればいいと
姫の全てが
俺という存在に
影響されていればいいと


「神宮寺、あんたのせいだよ…」

姫、俺は
君のその言葉に
期待してもいいのかな


「それは…いや、何でもない」



─俺に興味がある
 そう言うことかい?




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