ミニマムな彼(ギャグ?/甘?)


※姫=トキヤのパートナー
 姫視点






自分の目を疑った

さっきまでトキヤくんと
曲について話し合いをしていた
それでトキヤくんが
“コーヒーでも飲みますか”と言って
コーヒーを淹れに行ったはずなのに…

なのに…!


「…何ですか、その手は」

「い、いや…ちょっと抱っこさせてもらいたいなぁ…と思って」


“コーヒーが切れていました”
と言って返ってきたトキヤくんは
何故か小さくなっていました


外見は幼稚園児くらい
中身はそのままみたいですが
とにかく可愛らしいです


「というか…なんで小さくなってるんですか?」

「…わかりません」

「思い当たる節は…?」

「………」


顎に手を当てて、フム…
と考え出すミニマムトキヤくん

どうしよう
犯罪を犯してしまいそうです


「…そんなことよりもトキヤくん」

「“そんなこと”とは何ですか!このまま元に戻らなければ大問題ですよ!?」

「え、でも、それはそれでありかと…」

「全く、貴女という人は…」


ミニマムトキヤくんが
溜め息をついています
どうしよう可愛らし過ぎる

私は昔から子供が好きだ
この学園に受からなければ
保育系の学校に通って
保育士の資格を取るつもりだった
そのくらい子供が好きだ


「で、ちょっと抱っこさせてもらいたいんですけど…」

「はぁ………よ」

あまりにも声が小さくて
聞き取れなかった

もう一回お願いします とお願いすれば
ミニマムトキヤくんは
ほんのりと頬を紅く染めて
私とは目線を合わせずに言った

「…いいですよ、と言ったのです」

「な、なななななな…っ!!」

「っ…貴女が抱っこさせてほしいと言ったのでしょう!?」


ほんのりと紅く染まる頬を更に紅くして
こちらを向いて怒鳴った
ミニマムトキヤくん
怒鳴った姿も可愛らしいです

「じゃ、じゃあ…失礼します」

ミニマムトキヤくんに腕を伸ばして
抱き抱える

「…っか、可愛い!!」

あまりの可愛らしさに
ぎゅうぎゅう抱き締めてしまったら
耳元から“苦しい”と聞こえた

「ごごごごめんなさい!」

慌ててミニマムトキヤくんを下におろす

つもりだったが

「もう少し、このままで…」

首にしがみつく可愛らしい腕を
振りほどける訳がなくて


「…っあぁ、もう本当に可愛らしいです!!」

今度は苦しくならない程度に
優しく抱き締めた



***



「…という夢を見たんです」

「姫、一言いいですか?」

「……どうぞ」

「…バカですか?」

「すみませんでした、ごめんなさい、申し訳ありませんでした!だからどうか、その手に持っている教科書を置いてください!落ち着いて下さい!話せばわかりますからぁぁっ!!」



((夢の中で、彼女に抱き着いたという小さな自分が羨ましいと思ったのは秘密です))



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