血塗れの両手、孤独な僕
(死/血/病/悲/暗)



※白蘭視点






森の中を風が吹き抜けた


―ポツポツポツ…

雨が降りだしてきた
姫チャンの白いワンピースが
少しずつ色を変え始めた


僕と姫チャンは向かいあったまま
何も言わない

―長い沈黙が続く

先に沈黙を破ったのは姫チャンだった


「私は貴方のモノなんかには絶対にならない」


僕のことをきつく睨み付けながら

あぁ…可愛いくない答えだな
どうして僕の思い通りにならないんだろう
どうして…どうしてどうしてどうして


「そう…なら、君はいらない。バイバイ姫チャン」


僕はまるで温度の感じられない、
ただの音を発し


―パァンッ


懐から拳銃を取り出し姫
チャン目掛けて引金を引いた


―ドサッ


姫チャンが地面に倒れた
真っ白なワンピースの胸元に
真っ赤な花を咲かせて


…あれ?
可笑しいな…

僕は姫チャンに駆け寄った


「ねぇ、姫チャン起きてよ。ねぇ…ねぇってば」


いくら声をかけても反応がない

ただ胸元から暖かいモノが
流れ出ているだけ


「…ッ止まれ、止まれ、止まれッ!!」


僕は必死に姫チャンから流れ出る
暖かいモノを止めようと手で押さえた
しかし、一向に止まる気配はない
その間にもどんどんと
冷たくなっていく姫チャン


白かったはずの僕の服は
姫チャンと同じく
血で真っ赤になっていた


「…ハハハ、アハハハハハハハ」


渇いた笑いが漏れる


「姫チャン…僕を独りにしないでよ」


自分で壊しておいてズルいよね


僕は血塗れの両手で姫チャンを抱き締めた


本当は姫チャンに隣にいてほしかった
ずっとずっとずっとずっと



―今、僕は独り



(独りは寂しいよ)


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