手首、頂きました(ギャグ)


※キャラ崩壊注意 姫視点






「ふふ、ふふふふふふふふふ」
「気っ持ち悪っ…」

普段から気持ち悪いくらいの
笑顔を浮かべてる、
端から見れば
好青年とも言える青年が
不気味な笑い声を響かせたので、
全力で引いてしまった

「姫ったら、酷いなぁ…ふふ」

「どこが酷いんです?私の手首を撫で回しながら変な声で笑わないで下さい、気持ち悪い、鳥肌が立つ」


そう、この似非好青年こと
ヴィンセント=ナイトレイ様
ブレイクに言わせれば
“溝ネズミ”な彼は
何故か私の手首を触りながら
気味の悪い笑い声を響かせているのだ

これを変態と言わないなら
一体何と言うのだろう


「…姫の手首、細いよね」

食い入る様な視線が
自分の手首に注がれる
このまま手首を切って
逃げてやろうかと思う

しかし、そういう訳にもいかないので
何とか手を離そうと奮闘するも、
さすが男、中々離れない


「ちょっと捻ったら折れちゃいそうだね…」

「折ったらあなたの鼻の骨、折りますよ?ああ、ブレイクにお願いして命も折ってもらいましょうか」

「酷いなぁ、帽子屋さんの名前を出すなんて…嫉妬で狂いそうだよ」

─あなたの頭はもう狂ってますよね

なんて言えるわけもなく


「いい加減にして下さい」

と、げんなりとした表情で返すが
聞いているのか、いないのか
無視なのかは知らないが
おもむろに私の手首を
自分の頬に寄せた


そして一言

「美味しそうだね…」

「ひぃぃぃっ!?」


背筋に人生最大の悪寒が走った

顔が真っ青になってるのが分かる

理由はこの変態溝ネズミこと
ヴィンセント様が「美味しそう」と
変態発言をかまし私の手首を
舐めやがりました


「…っ離せ変態!私に触るな!私の半径1km以内に入るなっ!!」

悪態をつきながら、
わなわなと震える体を
なんとか押さえて、
手を離そうと引っ張るが
やはり離れる気配はない


「ふふふ、分かってるよ、姫。それは照れ隠しなんでしょ?」

「勘違い野郎め、アヴィスに堕ちろ」

「姫は可愛いなぁ」


誰かこの変態を今すぐ私の前から、
いや、この世から消して下さい
お願いだから

更にヴィンセント様は
私の言葉なんてどこ吹く風、
完璧に無視して私の指を口に含んだ
指先から伝わる生暖かい感触に
気持ち悪くて泣いてしまいそうで、
それを堪えるために顔が引き攣った


「大丈夫だよ、姫…本当は嬉しいんだよね?うん、知ってるから…僕」


嗚呼、本当に

誰かこの変態を抹殺してください
今すぐに



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