眠れない夜は二人で(甘)



―チッ…チッ…チッ…
秒針は動く
壁に掛けてある時計は既に深夜3:00を指している

今頃俺のお姫様はどうしてるかな

なんて考えただけで笑みがこぼれる
…別にやましいことを考えてる訳じゃないからね?

「…暇だし夜の池袋の人間観察でもしてくるか」

俺、折原臨也は携帯電話と財布だけを持ち事務所を出た



『あーぁ…眠れないや』

もう3:00だって
どうしようかなぁ…?

私は携帯電話のディスプレイを見ながら溜め息をついた

眠らなきゃ眠らなきゃ
と思えば思う程、気持ちとは裏腹に目は冴えていく

『えぇいっ!!こうなれば出掛けるぞ〜ッ!!』

私は着替えて携帯電話やら財布やらをバックに詰めこみ家を出た

別にどこに行くかなんて考えてなかった

ただ気の向くままにフラフラしていたら池袋についた

さすがに夜の池袋は人もほとんどいなくて昼間のざわめきが嘘の様だった



「誰もいないねぇ…」
俺にはこの状況がつまらなかった
が、姫を見つけた瞬間そんな思いは消し飛んだ



『やっぱり人いないよね〜…なんだか池袋じゃないみたい』
私はクスクスと笑い街中をフラフラ歩き出した


「お姫様みーっけ」

後ろから声をかけてやれば姫は驚いた様に勢い良く振り返り
俺を見てふわりと笑った
可愛いなぁ…胸キュンってやつ?



いきなり声がしたと思って振り返ってみたらそこには臨也が笑顔で立っていた

なんだか分からないけど嬉しくて私は笑った

「こんな時間にどうしたのかなお姫様?」

臨也に“お姫様”って言われるのは慣れたって言うか…諦めたって言うか…

『ちょっと眠れなくて…フラフラ〜っと出てきたの。臨也は?』

「俺もそんな感じかな?…ま、池袋に来たのは正解だったみたいだけどね」

…え?
正解って…



俺のお姫様は驚いた様な顔をして固まってしまった
ホント可愛いなぁ…

そんなお姫様に
「眠れないならさ、ちょっと付き合ってよ」
と言えば

若干頬を赤らめて
『う…うん!』
と 嬉しそうに笑ってくれた



「じゃあ行こうか。お手をどうぞお姫様?」

その一言で顔が僅かに熱くなった気がした

私は臨也の手を取り一緒に夜の池袋の街を歩き出した



─夜の闇は二人を優しく包んで


(じゃあさ…ホテルでも行く?)
(なっ…!?///)
(アハハハ冗談、何?期待しちゃった?)
(バカッ!!///)


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