未来永劫(切?→甘?)


※双熾≠凛々蝶のSS






外はザアザアと雨が降っている
ラウンジには私と姫様以外に誰もいない


「ねぇ、双熾」

「なんでしょうか?」

「私ね、先祖返りなんかに産まれたくなかったの」


それはあまりにも唐突な告白
運命を否定する言葉


「…左様でございますか」

「何でそう思ったか聞かないの?」

「お聞きした方がよろしかったですか?」


いたずらっぽく微笑んで見せれば
“相変わらず意地悪だね”
と言われてしまった

聞かなかったのは
先祖返りという運命を
否定されることが
恐かったからかもしれない


「先祖返りってさ、同じ様な人生を永遠に繰り返すんだよ?つまらないと思わない?まぁ、覚えてないから関係ないのかもしれないけど」

「そうですね…」

「とにかく、先祖返りなんかに産まれたくなかった」


運命を呪う言葉
それはどうしようもなく私の不安を掻き立てる


「姫様…」

「でもね、最近は先祖返りに産まれてきて良かったかもって思うんだ」

「…え?」

「だってさ、先祖返りでもなければ双熾と一緒にいられなかったかもしれないし…それに、先祖返りは同じ様な人生を繰り返すんだよ?と言うことはこの先もずっとずっと双熾と一緒にいられるってことじゃない?」


少し照れた様に笑いながら話す姫様
そんな姿を見たら
不安なんてどこかに飛んでいった
そして、どうしようもない
愛しさが溢れた


「私は未来永劫、姫様の犬です」


その場にひざまずいて誓う


「犬って…まぁいいや。よろしく頼むよ、双熾!」

「勿論です」



来世も、そのまた来世も
未来永劫あなたの傍に…─



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