幸せの色(甘)


※沖田視点






真っ白な翼は
きっと君に似合うだろう

君を絵の具に例えるなら白
どんな色にも混ざっていける
穢れ無き色
僕とは正反対の綺麗な白

その白が眩しくて
目眩がしそうなくらいに眩しくて
君のことが好きなのに
どうしても打ち明けられない


僕みたいな
穢れてしまった色が混ざって
純白を汚してしまうのではないか
という恐れ
だから僕は姫ちゃんと距離を置く


「姫ちゃんみたいな子は大っ嫌いだよ」


ちくり、心臓が傷んだ
僕がこの言葉を言うたびに
君は悲し気な顔をする

いつもはそのままいなくなる君
だけど今日は違ってた


「…はやく何処かに行けば?」

お願いだからはやくいなくなって
君を見ていると
じくじくじくじく
心臓が傷むんだ

そんな僕の願いも虚しく
発せられた君の想い


『…沖田さん、私は…私は沖田さんが…好きです』


好き─
その言葉にどれほどすくわれたか
だけど僕は君といてはいけない


「僕みたいなのといると汚れちゃうよ?」

『…構いません、沖田さんが好きなんです』

「…僕も好きって言ったら信じてくれる…?」

『はい』

君は綺麗に笑った
君が笑ってくれたから
今までついてきた嘘も虚勢も
ガラガラと音をたてて崩れていった

汚れていても構わないと言ってくれた君
思わず抱き締めた


「今まで、ごめんね…」

『いいえ、ありがとうございます』


そう言って抱き締め返してくれる君

しばらくして


『沖田さんの幸せは何色ですか?』


腕の中から聞こえた声
幸せの色…


「姫ちゃんの白と僕の黒が混じりあって、灰色ができたなら、きっとそれが僕の幸せだよ…姫ちゃんは?」

『私も灰色です』





─汚れた僕と真っ白な君
 二人あわせてできたのは
 やさしいやさしい灰色でした



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