no one no mistake(悲/死)
※姫視点
志波副隊長が亡くなられた
その知らせを聞いたとき 頭が真っ白になった
私は今はもう十三番隊ではないけれど
護挺入隊時は一三番隊で
その時 志波副隊長には随分とお世話になった
入隊時は全くと言っていいほど組み手稽古で勝つことはなかった私に
休み返上でつきっきりで稽古をつけて下さったり
書類の書き方を教えて下さったり
悩みを聴いて下さったり
言うならばお兄さんの様な存在だった
そのお兄さんが…
志波副隊長が
─亡くなった
話によれば虚との戦闘中に亡くなったそうだ
正確には殺されたと言った方が正しいのかもしれないが…
虚に体を乗っ取られた志波副隊長を一三番隊隊員の朽木さんが刺したのだと朽木さん本人から聞いた…
仕方ない のかな…?
私には分からない
でも 私は思う
“別に 誰かが間違っていた訳じゃない”
そう、誰も間違っていない
独りで虚と戦ったという志波副隊長も
耐えながら黙ってそれを見ていたという浮竹隊長も
虚に乗っ取られてしまった志波副隊長を刺したという朽木さんも…
みんな みんな
間違ってなどいないかったんだ
「間違っていませんでした、誰も…」
涙と供にポツリとこぼれる
そしてポツリ、ポツリと
地面に痕を残す
こぼれた雫は土に
言葉は闇に吸い込まれ
地面と心に
痕だけが残る
─残された私と同じ
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