あまいひと
“あいつ”こと
家庭科
坂田銀時先生
家庭科担当だからか
男のくせにこいつが近くに来ると砂糖菓子のようなフワッとした甘い匂いがする…
ちなみにそんな坂田先生に俺は絶賛片思い中だったり…
「これはこれは今日もおモテになることで…ちゃっかりお菓子と一緒に生徒も食い放題ですか」
…まぁこんな嫌みを言いながら近づいてくるとこも可愛いなんて俺は末期だと思うが
「はっ、ほんっとモテねぇヤローの想像は乏しいな」
「うるせー、何が『はっ』だ、菓子もらったぐれぇで、一人でにやけてたヤローに言われたくねぇよ」
「…にやけてねぇよ」
「にやけてたじゃねぇか、まぁ愛しそうに袋なんか見つめちゃって…廊下でさっきの子達とすれ違ったけどきゃっきゃ、きゃっきゃ言ってたぞ、ほんっとヘタレはこれだからいけねぇ」
「ヘタレじゃ…って、お前いつから見てたんだ??」
誰から貰ったなんて、その現場を見てないと言えないはずだ
「っ!?べっ別に見てねぇよ」
明らかに坂田先生の様子がおかしい
「ふーん…」
「…っ」
「じゃあ…」
一歩分銀時に近づく
「??」
「なんでさっき奴らがあいつらだって分かんだよ」
「なっなんとなくだ」
「へぇー…」
追い詰めるように一歩一歩坂田先生との距離を縮める
「なっなんっちょっ近っ」…
近づいてくる俺との距離を取ろうとした坂田先生がバランスを崩した瞬間、がさっと音を立てて何かが二人の足元に落ちた
「…なんだ??」
「ちょっ!?それっは!!」
目線を下にして見てみるとそこにはまとめて3つ程入ったカップケーキの袋
そして
多串先生へ
と付箋紙が貼ってあった…
「これ…」
「〜っ!!////」
坂田先生を見るとこれ以上ないくらいに顔を真っ赤にしていた
「…もらうぞ」
「なっ!!////もっもういらないだろっ!!あんな可愛い子達からもらったんだから俺からのはいらないだろっ!!」
「俺に…作ってくれたんだろ??」
「べっ別に!!////」
「ふっ…本当可愛いな…」
「なっ!!////」
「俺があいつらから受け取ったのは、家庭科で…って言われるとお前の顔が浮かんで、どんな顔して作ってんだうなとか、これ食ったらお前が作ったのと同じ味がすんじゃねぇのかとか考えたからだ」
「え…」
俺達の間を心地好い暖かい風が通る
「俺は…お前が好きだ」
「っ?!////」
「ずっとお前の作ったのが食ってみたかった」」
「…」
「何より…お前を手に入れたかった…」
「…/////」
「お前は…」
「おっ俺も!!////」
「えっ…」
「…すっ好き…かもしんないっ////」
「ぷっ…かもしんないってなんだよ」
「…だっだから////」
「ん??」
「まっまたこーゆーのとかも作ってやらなくもなくなくないっ////」
「ぷっ…どっちだよ」
「ひっ土方の態度次第!!////」
「態度…ねぇ…」
そう言うと腕をぐいっと引いて
ちゅっと軽く音を立て坂田先生の唇に自分のそれを合わせ離れた
「なっなにすんだよこのヤロー!!/////」
「態度次第って言われたからな、これからは態度に出していこうと思って」
「こっこういうんじゃねぇよ!!////」
「…銀時」
「なっ!?////」
「また作ってくれよ??」
「…かっ考えてやらなくもなくなくないっ////」
「だからどっちだよ」
(『どんな菓子よりもお前を食べたい』
なんて言ったらこいつ怒るだろうな…)
どんなお菓子も君には敵わないよ
だって…
君はずっと僕の
“あまいひと”だから…
END
-29-
[
back
]*[next]
bookmark
BACK
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -