嘘つき、ふたり
この関係を続けてどれくらいになるだろうか。
終わりの見えないそれを、俺はいつまでもやめられないでいる。
叶わない恋だと思いながらも諦めきれず頑張って勉強した結果、こうして同じ大学に通っている。
だから付き合おうと言われた時は純粋に嬉しかった。
俺はあいつが好きだし、向こうもそうなんだと思っていた。
でも気づいてしまった。
あいつは、俺が好きなんじゃない。他に好きな奴がいて、そいつの代わりなんだってこと。
なんだ、そうか。
それを知ったのにも関わらず俺はこいつから離れられない。
なんて滑稽なんだろう。
「悪い、遅くなった」
「大丈夫だよ。…何かあったの?」
「レポートの課題を出されてたんだよ。」
「…ふうん」
「それより、どこ行くんだよ?」
「…土方の行きたいとこ」
遅くなった理由?
そんなのわかってる。会ってたんだろ、例の人と。
ほんと、わかりやすいよね。
***
食事をしたあと、いつものように俺たちはホテルにいた。
「銀時…」
「………んっ」
「好きだ、」
嘘。
「ッア、…」
「愛してる…」
嘘つき。
わかっていながら、騙されているふりをしているうちは一緒にいられるから、俺はこれをやめられない。
それでも好きだから。
お前が俺を見てくれるなら、いくらでも騙されてやるよ。
「ねえ、俺のこと好き?」
「そんなの、当たり前だろ」
「………うん、俺も。」
バレてると知らずに嘘をつきながら俺と一緒にいるコイツと、それをわかっていても離れることができない俺。
本当の馬鹿はどっちだろう?
(きっと、どっちも)
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