恋人…ですよ?
坂田と知り合ったのは友人との合コンの席でだ。
人数集めるに加わっただけで決して彼女が欲しかった訳じゃない。
どちらかと言えば会社以外で話の合う友人が欲しいところだ。男の。
「顔に似合わねぇマヨラーとか結構好きだな」
隣で居酒屋には不釣り合いなみたらし団子を食べる坂田が言った。
「侮辱してんのか、好きって言ってのかどっちだ」
「え、好きって方」
ちゅー、と唇を尖らせるから唇を重ねた。キス魔め。可愛すぎんだよ。
閑散とした店内、客は時間のせいか俺らしか居ない。
「珍しいね、銀さんが友達連れてくるなんて」
「友達じゃねぇよ、えっとぉ彼氏?」
合ってる?と首を傾げが意外過ぎてこっちが疑問形だ。
「そうなのか?」
「えーっ!!キスしたじゃんセックスしたじゃん!」
「え、いや、それは……」
そうか間違えちまって悪かったなと、慣れたように居酒屋の親父は笑った。それもそれで恥ずかしいんだが。
「土方は俺の事嫌い?」
「いや、」
「じゃぁ好き?ラブの方でだよ」
照明が銀色の髪を照らす、沸き上がった衝動に身を任せキスをした。お持ち帰りします。
「はぐらかすなよ……」
「後で嫌って程聞かせてやるよ」
ツケで!!坂田が言うと少し困った顔をしながらまいどありと親父が言った。
次くる時は、挨拶を兼ねて菓子折り付きでツケを支払いに来よう。
「どこがいい?」
足は近くのラブホを通り過ぎる。
「ひ、土方ん家…」
俯く顔は耳まで真っ赤、少し早足になった。
息子が持ちません。
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