「臨也?え、最近そういえば見てないけど…」
「…そうか」
「え、どうしたの?静雄から臨也の話するなんて珍しいね」
「………」
「ま、今頃悪だくみでもしてなきゃいいけど」
苦笑する元同級生の闇医者、

『いや、見ていないぞ、仕事もないし』
「どれくらいノミ蟲からの仕事なかったんだ?」
『えっと…ちょうど一か月くらいかな、そろそろおかしいと思っていたんだが』
「そうか、サンキューな」
どこか困惑しているような無口な黒バイ、

「ああ、この前チャットでしばらく来れなくなるって言ってましたよ」
「本当か?何で…」
「すみません、そこまでは話してもらえなくって…」
「…それは、ちょうど一か月位前か?」
「え、あ、そうです…静雄さんえ、何で知ってるんですか?」
「いや、ちょっとな」
「はぁ…でも一体どうしたんでしょうね」
大人しく真面目そうな来良学園の少年、

「イザ兄?あー、そういえばこのまえチャットでも言ってたよねー!」
「暫……無(しばらく見てない)」
「…お前らは何か聞いてないのか?」
「ん?別に、何も言われてないよ?どーしたのシズオさんっ!…あ、そういえば」
「入…」
「そうそう、つい最近私たちの通帳にすごい額がいれられててー!びっくりしたなぁ、アレイザ兄だよね!?」
「兄」
「入金…?…まあいいや、悪かったな時間とって」
中身と外見が正反対の双子でさえ、

皆一か月前から、奴を見ていなかった。

あいつの知り合いには出来る限り全てあたった、新羅伝いにノミ蟲の仕事のお得意様と呼ばれる人間にも会ってみたが、そいつらも答えは同じ、皆口をそろえて同じことを言う。見ていないと。
「…なんなんだよ」
あの少女から貰った鍵がポケットの中で軽く音をたてる。

折原臨也は、完全に俺の前から姿を消していたのだ。


100414
ちょ、短…!
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