今日の出来事を日記風に言うならこうだ。
●月×日、見知らぬ女子高生に刺された。

その日はよく晴れた日で、仕事もそれなりに順調に進みいい具合に気分がよかった俺は、電話してくると言って離れたトムさんを路地裏あたりで待っていた。春らしい陽気で周りのビルに日差しが遮られるのが惜しい、それでも十分暖かいのだからイラつくこともない。
ああ、平和だ。
そう思った時に、ふと背中に衝撃を受けた。
「死ねッ…!」
若い女の声、まだ少女とも呼べる幼さが残っている。俺なんかしたっけ、いやしてない。まさかあのノミ蟲か、きっと絶対そうだ。
「、刺さって、刺されよっ…!死んでよぉ!」
後ろの少女はなかなか刺さらない俺の体に憤りを隠せないようだった。何度も抜いてはぐいぐいと押して刺して少しでも深く刃を差し込もうとしているが、効果など全くない。多分、ほとんど入ってはいないのではないだろうか。
俺の怪力や特異体質を知った上でこう白昼堂々殺しに来るやつなんてそうそういない、遠まわしに攻めてくるノミ蟲より数百倍いいと思う。
そういえばここ数日奴を見ていないきがする、二か月くらいか?そろそろ違和感を感じてきていたのだが、臨也のいることに慣れてしまっている自分が恨めしい。
いつまでもやらせるわけにはいかないので、後ろ手で出ている刃を掴みべきょりと曲げた。少女がひきつった声をあげる。
振り向くとそこにはセーラー服の小柄な少女がいた、おそらく高校生だろう。何でこんな女が、
「っお、い!」
「!」
ふとした隙にもすかさず入りこんでくる、かざされたナイフを慌ててよけてその細い腕を掴むとうめき声があがった。
「何だてめえは」
さすがの俺も女子高生相手に殴る気はない、だがここまで明確に敵意を向けられるとむかむかと腹たつものだ。
少女はぎっと強い瞳を向けてきて、一言叫んだ。
「あんたが、」
俺が?
「臨也さんをっ」
やっぱり臨也か。むくむくと湧き上がる殺意に爆発しそうになるが、それは次の言葉で消えてしまった。
「臨也さんを、消したんだ!!」

俺が、臨也を、
消した?

うららかな 春の昼間だった。



100411
つ、続きます…;
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