変人変態と称される僕にだって、一応友人と呼べる人間がいたりする。...まぁ、まともとは正反対な奴らだけど。
折原臨也と平和島静雄、池袋の有名人だ。
池袋では犬猿の仲で有名な彼らだが、実際は誰がどう見たってバカップルな程に仲良しだったり。いや俺とセルティ程じゃないけどね。
僕と愛しのセルティの話は置いといて、今私の目の前にはソファに座ってコーヒーを啜る臨也がいる、顔がいいと無駄に様になるものだ。
がちゃん、と大きな音をたててカップがソーサーに置かれてああもうヒビが入ったら弁償してもらうんだからな。
「だいたい静ちゃんはおかしいんだよ」
せっかくの綺麗な顔を不機嫌に染まらせ子供のように頬を膨らませる臨也は、いつものように静雄に怪我をさせられ手当てしろと押し掛けてきたのだ、本日は右腕と右足に打撲傷と右頬に擦り傷。
「自販機投げるとか人間じゃないでしょ最早」
「まぁね―」
「化け物だよ化け物」
臨也はぁ、と諦めたように息をつく。僕は笑うことしかできなかった。
「ったく、顔は悪くないのにあんな性格と怪力なんだから彼女できないのもわかるよ」
「いやでも意外に影で人気だったじゃない静雄って」
ぴくり。臨也の眉が動く、わかりやすいなぁもう。
「確かにさ、あの怪力もかっこいいとか言われたり、バレンタインだって本命もらってたし、皆趣味大丈夫なの」
「えそうなの」
「うん、結構モテてたみたいだよ裏で」
それは正直初耳だった、その頃臨也はやきもきしていただろうなとにやついた顔で見れば思い切り睨まれる。
静かに飲み干したコーヒーを前に差し出しておかわり、と言う目の前の男は不機嫌を隠さない。再びため息をついて指あそびを始めた。
「...顔は悪くないんだよねぇ」
新しいコーヒーをカップに注いでいると呟くような声が聞こえた。
「意外に整ってるし、金髪だって似合ってるし、ていうかあの髪何回も染めてるのにさらさらだし、」
ん?
「細いのに筋肉はついてるし運動神経だって良いし、あでも馬鹿だ、一応性格だってキレやすいのを除けば普通の筈だし、というかむしろいい方だし」
ちょちょちょちょっと待て
「しかも無駄に変なところ男前だし全体的にちょっとかっこい」
「ちょ臨也、待って」
「なに新羅」
「単刀直入に言うよ...のろけてるの?」
きょとん。
臨也はしばらくそんな効果音が似合いそうな表情をしていたが、数秒後にはかぁっと顔を赤く染めて眉を潜めて睨んできた、臨也が赤面なんて珍しい写真でも撮っとけばよかったと思ったがもう遅い、顔面に直撃したクッションはぽすと膝上に落ちた。
「帰る」
「薬はちゃんと飲みなよ―」
足音を大きくたてて玄関へ向かう臨也に一声かけて席をたつ。向かうは壁ひとつ挟んだ奥のへや。
ノブに手をかけて扉を開けると、中には
「もう帰ったよ、静雄」
静雄が背を向けて中の椅子に座っている。
自らの怪我を治療してもらいに来たのだが、臨也が来てここで暴れられては堪らないと、隠しておいたのだ。
ここの扉はわりと薄い、臨也の声も全て丸聞こえだったろう。
「...臨也も言ってくれるよねー」
「......黙れ」
「.........静雄さぁ」
「なんだ」
「耳、真っ赤だよ?」
赤面する臨也も珍しいけど君の場合も珍しいよね、そう笑えばばきりと机にヒビが入る音が響いた。
もう早く付き合っちゃえばいいのにこの二人。
そんなことを言ったらもう二度とセルティの姿を拝めないだろうから言わないけど。



100404
付き合ってるverと付き合ってないverを思い付いたのですが、後者となりました...
静雄赤面というか臨也赤面ですね、すみませんm(_ _)mというかのろけ部分があまり思い付かなくて...;こんなもので申し訳ありません(;_;)
リクエストありがとうございました!



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