「で?いつ戻るの?」
「それがわかんないんだよねぇ」
この闇医者もといヤブ医者め。ため息をつきながら痛む頭を押さえる。
「わかんないってどういうこと?」
「人によって効果が違うってことだよ。中には見た目的にはほとんどかわらない人も結構いたかな。そういう人たちは効果があんまりなかったみたいで、2日くらいで戻ったんだけど...」
そこでちらりと一瞥される。見た目でもわかるほど、完全なる女となった俺。
「臨也みたいにそこまで効果がでてたら...まぁ、一ヶ月くらいは覚悟してもらいたいかも」
「死ねばいい」
本日何度目かの悪態をついた。

服はこちらで用意するから後で送るねと言われたが、今家に帰るためにはこのぶかぶかな服装では無理だ。正直なところ早く帰って仕事をしてしまいたい。(とりあえず仕事に関しては)気のきく波江なら今日入っていた急ぎの仕事はしてくれているだろうが、さすがに書類をまとめるだけで済む仕事だけではない。
それを言うとじゃあ今はこれを着ていってよと新羅に言われ差し出されたのは、
「...刺されて死にたいそれとも社会的に死にたい?」
いわゆるセーラー服であった。
「だって今着れる服がこれだけなんだって。セルティは影でだから服は着ないし、あ、なんかすごいエロティックなひがはぁっ」
『すまない。本当に今はこれしかないんだ。だがこれならサイズも会うだろうし、町にいても違和感はないと思う』
セルティは自らが殴った新羅には一目もくれず、PDAを差し出してきてくる。焦ったような文章からもわかるように、今はそれしかないというのがわかった。
「...わかったよ」
幸いセーラー服はあからさまなコスプレ的なものではなく地味かつ制服にも見えるものだったので妥協。
その場で脱ごうとすればセルティと新羅に止められたので、隣の部屋で袖を通す。腹のたつことにサイズは恐ろしいほどピッタリでもともとこれを着せようとしていたのではとさえ思わせた。
「うん、どこから見ても可愛い女子高生だよ」
とりあえず気色悪いことを言い出した新羅は一殴りし、やけに短いスカートのすそに不快感を覚えながら荷物を揃えていると、新羅宅の電話がなった。
受話器をとった新羅の顔色が次第に色味を失っているがまぁ関係ないかと揃えた荷物を持って玄関に向かう。が、新羅に突然引き留められた。
「これっ」
「...なにこれ」
やけに慌てた新羅から受け取ったものはかわいいキーホルダーのついた鍵で、これをどうしろというのか。
「下に僕の車があるから、それで帰って!」
「ちょ、待てってどうした」
「静雄が来る」
ぴしり。
俺の脳が凍った。


100312
静雄さんを早くだしたいです
あとセーラー服はなんとなく着せてみたかっただけです/
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