※暴力描写・強姦描写あり


ぶん、と鈍い音がして脳みそが揺れる感触がした。続いて俺を襲うのは頭へのとんでもなく強い衝撃、痛み。
コンクリートに強打した後頭部から全身に痺れが回る。体中が命の危険に震えていてそれでも痛みで麻痺した頭では何も考えられず、ただただ本能のままに逃げようとするもぐいと肩を地面に押し付けられた。そのまま
―――が こん、
「ッあああぁぁあぁあっ…!!」
肩に直接的な痛みが走って、あぁ外されたのだと理解した。
冷たい地面に強制的に仰向けにさせられた俺の上に覆いかぶさる静ちゃんは、腕を曲げて俺との距離を縮める。意外にも整ったその顔が歪んだ笑いを映した。
「いい様だなぁ、臨也くんよぉ」
「…ッは、うるさ…」
俺がぼろぼろなのが嬉しいのか、静ちゃんは機嫌良さそうに俺のベルトへと手を伸ばした。

仕事の都合で池袋まで来て、取引も終え静ちゃんに見つからないようにさぁ帰ろうとしたのだが、お約束というかなんというか。見つかってしまった俺は追いかけっこを続けた結果夜の路地裏へと追い込まれた。
何故今日に限って逃げ切れなかったのかというと、風邪だったのだ。無理をして外へ出た体は熱に侵されていてそんな体で彼の攻撃を避けられる筈もなく、彼のガードレール攻撃が一発胸に決まったのをはじめに俺はずたぼろにされた。血はもう渇いてこびりついているだけだ。
しばらくして静ちゃんは息も絶え絶えな俺を壁に押し付けて、ヒューヒューと微かに気道を確保している様をじっと眺め始めた。何を考えているのだろうとぼんやり意識のぐらつく頭で考えていると、全身に水を被せられたような一言を言われる。
「勃った」
冗談でなく、息がとまった。生命の危機とは別に貞操の危機という本来男ならありえない筈のものを感じ、当然ながら俺は残った力をフルに使って彼から逃げ出そうとする。そしたら床に叩きつけられて肩を外されて、もう散々だ。
――嫌いな男に欲情するなんて、静ちゃんはそこまで童貞をこじらせたのか
熱に浮かされた脳内でそんなことを考えるが、ふと現実に目を向けてみればとんでもない状況だこれは。
抵抗をする体力もなく気力もなくなり、諦めたように全身を投げ出した俺のベルトを器用に外した静ちゃんは、外気にさらされた俺の自身を扱い始めた。
潰されるのではという恐怖で萎えてしまっていた自身も、段々と硬さを帯びてくる。当然だ、同じ性なのだからどこをどうすれば気持ちいいということなどばればれなのだから。
「――んっ、ぅ」
きつく噛んだ唇の隙間から洩れた声を、彼は嗤った。ふざけんな。

「や、だ、これ…」
俺は、あろうことか一度イかされてしまった。そこから出た白濁を手にとった静ちゃんは、再びにやりと笑って俺の脚を肩にかける。下半身が持ち上がり、自然と秘部を奴に晒すこととなり死ねばいい、と呪詛の念を送ってやった。
知識だけではあるが、これからどういうことが行われるのかは悔しいことに知っている。男同士の性行為の方法だってわかっている。予想通りに、静ちゃんの白濁にまみれた指は俺の後孔を探り出した。
「…ぅ、う」
周りを円を描くようにぐりぐりと潰されて、たまらず体が震えた、そのまま指がつぷりと中にいれられるとどうしようもなく声が出る。圧迫感と異物感、そして嫌悪感で全身が潰れそうだ。中にいれられた指は多少濡れているとはいえ本来いれる筈のものではない器官ではぎちぎちと締め付けられている。
「…きっついな……おい、」
「…ん、んふぁあ!?はっ、ふぅっはああぁはっ」
突然口内に押し込められた二本の指は、今俺の体内に入っているものとは別のもの。つまり、つまりこいつはこの後二本も突っ込む気なのか。顔が青くなった。
「はぁ、かはっ」
乱暴に暴れる指をかみちぎろうとするも、顎が外れる勢いでぐちゅぐちゅと掻きまわされるのでそれよりも先に嘔吐感がこみあがる。恐ろしいことに少しの快感も。
俺の口内を十分に堪能した後、彼は抜いた指をやはり入口にあてがった。
「――、あぁッ、  いた、いたいって!」
一本でもきつかったのだ、三本も突然入るわけがない。にも関わらず静ちゃんは無理やりに中を掻きまわす。痛い、信じられない。くぱぁと押し広げられた穴から冷たい空気が入り込んできて涙があふれた。
「ん、ぅう……っあぁ!?」
と、突然先ほどとは比べ物にならないような直接的な快感が襲ってくる。何かと思ってにやつく彼の顔を見れば、どうやら所謂「男の泣き所」をつつかれたらしい。再びそこをぐりぐりと擦られて視界がかちかちと点滅した。
「あ、ひぁ、ああっ、やっめ、ひぅ」
「……まぁ、平気だろ」
何が平気だというのか。こちらは全くもって平気などではない、むしろ死にそうだ。涙目で睨んでみるも効果などないようで、それどころか信じられないものを視界にいれてしまう。
俺の穴から指を抜いた静ちゃんは自らのベルトをかちゃかちゃと弄くり、彼のものを取り出していたのだ。しかも、それめちゃくちゃでかい。
「ね、ねぇ、もうやめ、よ…?ね?」
「あぁ?」
何を言うんだと視線で訴えられる、自分でももう戻れないなんてわかっている、でも言わずにはいられないほどこれからに恐怖を覚えていた。あんな大きなものが、こんな多少ほぐれたとはいえ本来の用途とは違う風にいれられてしまうなんて。信じたくなかった。
肩に担いだ俺の脚をぐいっと広げて、そのまま熱いものがあてがわれる。ぼろぼろと涙がこぼれた。
「う、も、や……ッうああぁぁぁああぁあッッ!!」
一気に押し入られたそこから激しい痛みが広がる、まるで体の内部から裂かれるような耐えがたい痛み。快感など微塵もない、あるのはただ痛みと恐怖と嫌悪。ここがどこがだとか、人が来るだとかそんなことを考える間もなく絶叫する。
じくり、ときた感触でそこが少しばかり裂けたことがわかった。血がじわじわと流れる感触がする。
「あ、や、いた、いたいぃッ!!」
「…うっせー、よ」
がつがつと奥まで突かれて衝撃で声が出る。血のおかげですべりがよくなったのか、先ほどよりスムーズに出入りするようになっていた。それと同時に僅かながらも快感も。
「ッひぃん!あ、やだ、そこ、やめ!あぁッ!」
そのままの勢いで先ほどの泣きどころを突かれて、確実に下半身は硬くなっていた。もういやだ、痛い、痛いことに変わりなんてないのにそれでも少しだけ気持ちいい。
こんな自分なんて信じたくない、もう、嫌だ。
「あ、はぁッうぅ、うあぁっ」
「…くっ、……」
「やだ、おねがッ、はぁっぬ、けよぉッぅあ!」
「黙れ…」
「――ッ!!、うぅあ、あぁッ…」

どくん、

体内で熱いものが出される感触がする。それと同時に俺から何かがはきだされたのも感じる。
遠のく意識の中で、俺が最後に見たのは静ちゃんの満足そうな顔だった。
  まじで死ねよ、静ちゃん。


100613
まな板さまからのリク「シズイザエログロ」でした^!
エログロということで大変楽しみながら書かせていただいたのですが、楽しみすぎた結果よくわからないものになってしまいました、すみません。
暴力、あれ…?という感じですが、もしよろしければ貰ってやってください;
素敵リクエストありがとうございました!

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