「なんや、随分早起きなんちゃう?」

 ホットミルクティーをちょうど口につけたとき、侑士が起きてきた。時刻は朝の4時で、目覚ましをセットした時間よりもだいぶ早い時間だ。

「なんか、目が覚めちゃった。飲む?」
「ん」

 ソファに座っていた私の横に座った侑士にミルクティーが入ったマグカップを差し出すと、侑士は一口だけ飲んでテーブルに置いた。電気をつけていないけれど外が明るくなってきているから相手の顔ははっきりと見える。眼鏡をしていない少しとろけた目元をした侑士に口元が緩む。

「今日やな、式」
「・・・うん、そだね」

 短く返事をしてから、侑士にもたれ掛かる。優しく肩を抱かれて、この温もりが好きだなあと、しみじみ感じた。
 高校一年のときに知り合って付き合い始めてから、もう10年。もうそんなに経つんだなぁと、しみじみと感じる。子どもだったわたしたちは、もうしっかり大人になってしまった。侑士に一目惚れしたあの日が、つい最近のことのようにも思える。

「テニス部の人たち、みんな来るの?」
「あぁ、なんとかレギュラー全員来れるらしいわ。跡部もわざわざ帰国する言うし」
「さすがぁ。向日くんとか、みんな会えるのもたのしみ」
「あぁ。・・・せやけど」

 すっ、と私の頭を撫でてから、横抱きにしてわたしごとソファに横になった。頭を首元に擦り付けて来て、未だ眠いのかなあなんて考える。なんだってできる彼だけど、私だけに時折見せる一面に嬉しくなる。

「あんま見せたないわ、なまえの花嫁姿」

 クスリと笑う侑士に、顔を赤くする。歯が浮いてしまうような甘い台詞をあっさり言ってのけるのは、昔から変わらない。
 付き合い始めてから、本当に色々なことを二人で経験した。好きになった当時じゃ考えられないような、大きな喧嘩も小さな喧嘩もした。不安になることもたくさんあったけれど、それ以上にたくさん幸せな気持ちにしてもらえた。同じように返せていたらいいな、と思う。お互い社会人になって、なかなか会えない日々が続いても、侑士から離れようとは一切思わなかった。一緒にいるのが当たり前で、当たり前に思えることが幸せだった。一生一緒に居たいと、おもう。

「まだ、眠い?」
「起きてもうたし、起きとく」
「そっか」

 そう言いながら私の髪を撫でて、軽くキスをしてきた。嬉しくなって、私からも軽いキスをする。そうするとまたキスを返してきて、今度は長くて、深いキスだった。舌を絡められて、気持ち良くて思考がとろける。キスのこの感覚を覚えさせられたのも、他でもない侑士なのだ。私を、女にしたのも。

「・・・こんな朝から」
「朝したらあかんなんて、誰が言うたん?」

 パジャマの中に手を入れられて、お腹を撫でられる。くすぐったくて身をよじると、またニヤリと笑った。首筋にキスされて、そのまま舌を這わされる。侑士の手が、パジャマのボタンを外しだした。

「っ、ほんとに?」
「ほんと」

 ボタンをはずされキャミソールをたくし上げられて、優しくおっぱいを両手で揉まれる。また唇にキスされて、水音が耳に響く。固くなった乳首を捏ねられて、身を捩らせた。

「乳首、気持ちええんやろ?」
「ん、っ」

 視線をそらして頷くと、侑士の顔が降りて乳首に吸いついた。舌で転がしたり、強く吸われたりして、甘い痺れが身に染みる。優しく侑士髪を撫でると、ぐっと侑士の大きくなったものを太腿に押し付けられた。

「・・・えっち」
「どっちがや。そないやらしい顔して、煽っとるんやろ?」
「違うよ、もう」

 ほんとは、ちょっと煽ってる。長年侑士と一緒に居て、ただ好きにされちゃうわたしでのなくなった。侑士が興奮するとこも、可愛いとこも全部知ってる。侑士のパンツに手を入れて、おちんぽを直接握った。固く立ちあがったそれをゆっくり扱いてあげると、甘い吐息を漏らす。かわいい。

「こんなおっきくしてる」
「久しぶりやからなあ」
「それだけ?」

 起き上がって、侑士の下を脱がせておちんぽを咥えこんだ。口の中でまた大きくなって、それをちゅうっと吸い付く。口をすぼめて顔を動かすと、侑士の腰が揺れた。

「んぁ、っ・・・上手なったよな、なまえ」
「わたしだって、もう子供じゃないんだよ」
「ふ、わかっとるわ。立派な大人の女やろ」

 つうう、と裏筋を舐め上げてやると、顔を離されて引き寄せられて、パジャマのズボンに手をかけられる。一気に脱がされてしまい、その勢いからまた押し倒されて、足を大きく広げさせられる。咄嗟に手で隠すも遮られ、おまんこにゆっくりと指が入り込んできた。

「はぁ、んっ」
「めっちゃ締め付けてきよる」

軽く指を曲げて的確に気持ちいいところを擦ってくる。指を動かしながら侑士はお腹に舌を這わせて、そのまま胸元へと舐め上げた。それから音を鳴らしながら軽いキスを何度もしてきて、気持ち良くて息を洩らした。

「ぁん、っ・・・昔は、キスマークたくさんつけてきたよね」
「ん? あぁ・・・ガキやったからな。余裕無かったんや」
「っ私よりよっぽど、っあぁ、余裕そうだったけど、なぁ」

学生時代、たくさん付けられたキスマークのことを思い出す。侑士のものだって印だって、そう思うと嬉しかった。愛されているって感じて。服の上からでも見えちゃったときは、正直すっごく困ったし恥ずかしかったけど。

「せやったら、久しぶりにつけよかな」

クス、と笑ったと思えば、指を引き抜いて私の身体をひっくり返した。突然のことに驚いていると、肩甲骨の下辺りに、ちゅうっと強く吸い付かれた。なんだか、久しぶりの感覚。

「ドレス着たとき、見えちゃわないよね?」
「大丈夫や、俺にしか見えへんよ」

侑士にしか、見えない。その言葉にドキッとして、途端に背中のキスマークが愛おしくなる。侑士がそのまま後ろから抱きしめてきたので、顔だけ振り返ってキスをする。小刻みに何度も口付けられながら、おまんこに侑士のおちんぽが充てがわれた。

「もう、ええ?」
「ん、っいいよぉ、っひゃん!」

ずちゅっ!と一気に中に入り込んできて、身体が仰け反る。熱っぽい吐息が耳にかかってぞくぞくした。侑士の手がいやらしくおっぱいをまさぐって、腰を揺らした。


「っあん、んぅうっゆーし、っひゃん」
「なまえ、っ、く」

ぱんぱんぱん、と肌と肌がぶつかり合う音がする。おちんぽの硬い感触が擦れて、意識がとろけそう。侑士はイイところに集中的に擦り付けてきて、気持ち良くて身体を震わせた。

「っきもちひ、きもちいよぉっ侑士、っらめイっちゃ、イっちゃいそぉ・・・っ!」
「あぁ、イってええよ・・・? ほら、っ」
「あああぁっ! らめイく、うぅっんん!!」

ビクッビクウゥッ!!腰が跳ね上がって、ぎゅうっと拳に力が入る。身体全身に電流が走ったような感覚がして、心臓がドクドクした。意識が朦朧としそうになったところを、侑士が私の身体を反転させて阻止した。うっすら汗をかいた侑士が笑って、そのあまりの色っぽさにおまんこがきゅんと疼いた。侑士はわたしの両手を握って、また腰を動かした。


「っはぁん、あんっ侑士、侑士っ」
「っなまえ、可愛えな、なまえ・・・っ」

侑士はぴったりとくっついて、首筋や顎の裏に唇を押し付けた。侑士の髪が身体に当たってくすぐったい。侑士も余裕が無さそうで、腰がどんどん早くなる。侑士の荒い吐息を肌で感じて、無性に愛しくなった。

「あっんあぁあああっ!! ゆーし、っゆーしぃっきもちひっゆーしぃっ!!!」
「っなまえ、っ俺も、気持ちええよ、っそろそろ、ヤバいわ、っ」
「っいいよぉ、っゆーしも、イってぇ・・・っああぁんっ!」
「アカン、もう、っく」

ビクンッビクッビクッ!!! ナカでおちんぽが脈打って射精した。どっぷりと注ぎ込まれて、その温かい感覚に私もまたイってしまった。





「そろそろ、支度しなきゃかなぁ」

情事後、ソファに二人で横になってタオルケットを被ってまったり過ごしていた。そろそろ、起き上がらなきゃいけない時間だ。

「せやな。流石に俺らが遅刻するワケにはいかへんからな」
「ふふ、そうだね。起きよっかぁ」

よいしょ、と半身を起き上がらせると、侑士もあとから続いて起き上がって、後ろから抱きしめてきた。肌のぬくもりがあったかい。

「もう、これで一生俺のもんやな」

嬉しそうに、しみじみとそう言った侑士の言葉に、わたしもじんわりと幸せな気持ちになる。今感じてる人肌のぬくもりも、全部わたしのものなんだ。

「・・・一生幸せにしてね」
「当たり前やろ?」

あんまり言えない照れくさい言葉を口にすると、あっさりと返される。幸せだなぁって深く心に感じながら、式場に向かう支度のために立ち上がった。

0926
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