「うっぜー!」

鼓膜が張り裂けるぐらい空に向かって大声で叫ぶ。
今は授業中、屋上にいる私にとっては関係ない事やねんけど。

別に空は悪くない、悪いのはこの私だ。
ムシャクシャしてるこの気持ちをぶつける相手がおらんから、仕方なく空にぶつける。ようするに八つ当たりの相手が空だったって事。

空が快晴ってだけでもイライラする。まぁ晴れの方がが好きなんやけど。
自分を馬鹿にしてるようにも見える。何て素晴らしい目を持ってるんだろうね私は。


「めっちゃ荒れとるなぁ、どないしたん?」
「…別に。」

何でこんな時に現れるんだろうかコイツは。
いつもそうだ。きまって現れる。スーパーマンか!とツッコミたい。関西の血が騒ぎだす、うん。

「もう受験なんやからちゃんと授業出や。」
「そんなん白石もやん。」
「俺はええねん。」

うざっと思いつつ、あながち白石の言ってる事は正しい。
受験レース真っ只中でも余裕で先生からの評判も良いから内申も良くて、テニス部の部長も任されてたし全国大会までいったらしいし、それでいて勉強も出来て運動も出来る。誰もが羨む奴だった。


「中1からやり直したい。」
「それ何回も聞いたわ。」

ははっと笑う白石が羨ましかった。何で中1の時アホな事してたんやろ。昔の自分しばきたおしたい。


「それやったらさー。合格率上がってたんかな。」

ピラリ、白石にグラフが一杯のってるプリントを見せた。
――高校、合格率20%以下(判定:C)

数ヶ月前に受けた志望校テスト。今日の朝配られた。
思い思いに書いた志望校が全て50%以上のものは無かった。結構出来たと思ってたのに最悪な事になっていた。答案用紙は全部埋めて何回も見直してぬかりは無かった。


「A判定もらえるとか言うとったのにな。」
「恥ずいから言わんとって。」

皆に自慢した、出来たって。本間自分しばきたおしたい。
謙也にどうやった?って聞かれてC判定だなんて言えるわけなく屋上に逃げてきた。まぁ白石にはバレてもうたけど。


「…白石と同じ高校行かれへんわ。」

へにゃっと笑うと白石は寂しそうに笑った。
20%以下で受験に挑むなんてアホらしい。結果なんて目に見える。


「そんなん分からんやん、一緒の高校行こう言うたんお前やろ?」
「でもさ…。」
「関係あらへん。一緒の高校行くからな。じゃ教室戻るで!」

ぐいっと腕を引かれた。
丁度白石の顔と空が重なった。白石の眩しすぎる笑顔と空の眩しすぎる青がキラキラして綺麗だった。



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