小説 | ナノ

  告白







コクンコクンー…

金曜日の6時時限目、眠くて眠くて仕方ない時間

しかし、これが終われば明日から休み──という考え方もできる。

というわけで最後の気力で授業にのぞんでいたわけだ。


そんなとき、沖田さんから手紙が回ってきた

── 今日、話があるから教室に残ってて ──

とのお達しだった。
まぁ暇だからいいんですけどね、










そして放課後になり、生徒たちは家路に急ぐもの、部活に向かうもの…とどんどんクラスから出ていく

沖田さんはいったい何の用なんだろうか?

しかし気が付くと沖田さんの姿がない
トイレとかかな?



 30分後─…‥


そろそろ帰っていいかな
きっと遊ばれただけなんだよね
…でもこんなことしても楽しくないよな
なんだったのかな…

ガラッ

勢いよく扉が開く

「ザキ、」
「あ、沖田さん。遅かったですね、待ってたんですよ?」
「知ってらァ、色々あったんでィ」
「それで話とは?」

すると沖田さんは黙り込んで俯いてしまう



「沖田さん?」
「笑わねぇで聞きなせぇよ」
「はい」

また、沈黙

「ザキ……ххでさァ」
「…へ?」

「だから…、」
「だから?」

「……す、きでさァ」
「え…?誰をですか?」
「だから、その、俺は…ザキが好きなんでさ」

展開がいきなり過ぎてついていけない
沖田さんが俺のことを好き?
あり得ないでしょ?だって男同士だよ?
あのドSの沖田さんだよ?
あれか、LoveじゃなくLikeってことか
そうだよな、そうにきまってる

「俺も好きですよ、だから友達やってるんです」
「ちがくて、その、恋愛対象としてザキが好きなんでさ」

「嘘、でしょう…?」

「ほんとでさ、こんな嘘いいやせんよ」

こんな不安そうな沖田さん見たことない

「気持ち悪かったかィ?」

気持ち悪い?気持ち悪いわけない、ってか嬉しくて仕方ない
なぜかって、そりゃ俺も沖田さんがずっと好きだったのだから

「すいやせん、忘れてくだせぇ」
「嫌ですよ」

あ、驚いてる 可愛い

「嫌ですよ、だってやっと…両思いになれたんですから」
「え…?」
「だから、俺も沖田さんが好きだって言ったんですよ」
「嘘…」
「嘘でこんなこと言いませんよ」



チュッ
音と同時に唇に柔らかい感触

「お、沖田さん!?」
「じゃあ今日から恋人ってことで、帰るか」

さっきの子犬みたいな沖田さんはどこへやら
思いっきりスルーされたし
いつもの沖田さんに戻ったみたいだ

「はい」







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