小説 | ナノ

元彼が結婚指輪をしていたので


※梵天軸





「隣、座っても良い?」

低くも高くもない声音が私の耳へと通過する。
聞き覚えのあるその懐かしいトーン。え?と思ったのも束の間で、反射的に顔を上げれば声の主はゆっくりと目を細めた。

「りっりんどう?」
「ッハ、ナマエ驚きすぎ。…久しぶり」
「あ、えっと…ひっひさしぶり」

紫色の髪を揺らし、少し甘い柑橘系の香りが私の鼻へと香ると心臓はドクンと音を鳴らす。重たい前髪から覗いた目と視線が合わさると、喉から出た声は自分が思った以上に裏返ってしまって返事が上手く出来なかった。



今日は会社の先輩の送別会だった。結婚を機に退職することになった先輩は、私が入社してからずっとお世話になっていた上司でもありとても尊敬している人だった。お酒も入り感情的になっている私は「じっじあわぜになっで下さいねぇ」なんて涙声になってしまって、まるでうるさいおじ様が絡むかのように先輩にずっと引っ付いていた。先輩は眉を下げながら「アンタも早く良い人見つけなさいよ」と私の頭をワシャワシャ撫でて、旦那さんになる人が迎えに来ると同時に送別会はお開き。

駅までそう遠くはないから職場の人と別れて歩いていると、先程の先輩の幸せそうな顔が頭に浮かぶ。祝福する気持ちと寂しい気持ちが交じると形容し難い感情が私を襲った。

私もそろそろ相手を見つけた方が良いのかなと最近思うようになって来た。しかし歳はもうすぐ29。
仕事場で出会いなんかゼロに等しいし、婚活する元気も勇気もない。そんな自分にため息を吐いて何となくまだ家に帰る気分にもなれず、腕に嵌めた時計で時刻を確認すると終電までもう少し時間がある。私は駅へ向かっていた足を引き返して、時々飲みに訪れるバーへと足を運ぶ事にしたのだ。

ここのマスターはとても気さくな人で、お客さんが少ないときはよく話し相手になってくれる。仕事の愚痴だったり、過去の思い出話だったり。ついつい話し過ぎてしまうくらい居心地が良く私のお気に入りの店である。


でもまさかこの場所で、今まで別れてから一度だって会う事は無かった元彼と再開するとは思わなかった。


「元気だった?」


竜胆は懐かしむかのように口開く。
私がまだ彼と付き合っていた頃、当時の彼は私の年代ならば誰もが知る悪の方で有名だった。金髪に綺麗な水色メッシュを散りばめて、いつも綺麗にセットされた髪型と伊達メガネをかけていた竜胆。やることは不良君で恐れられていた彼だけど、一緒に過ごしていれば優しくて何処か幼さが残っているような、そんな彼だった。でも今真横にいる竜胆は、髪型も色も当たり前だけど全く違うし、身に付けている装飾品やスーツも見た感じかなり上質でまるで別人みたい。そして一番目に止まったのは、あの頃はなかった筈の首元に入れられた刺青。

「それなりに元気だよ。竜胆は…随分変わったね?」
「まぁあれから色々あったし、歳いきゃ変わんだろ。でもお前は変わってないから安心したワ」
「…それ褒めてるの?」
「褒めてる褒めてる」

ケラケラっと軽く笑った竜胆は私の横に腰掛ける。私も竜胆と同じように歳を重ねて、付き合っていた頃にしていた化粧も髪色も、服装だって変わった筈だけれど、竜胆は変わっていないというのだから少し複雑な気持ちになった。
そして彼は見た目も変わったけれど、私とまた違うものが1つ。



カウンターに置かれた竜胆の左手の薬指には、指輪が嵌められていた。








「お前今なにしてんの?」
「んー、普通に会社員だよ。今日はね先輩の送別会だったの」
「送別会?ふぅん。つまんなそ」
「そんなことないよ。お世話になった先輩の送別会だったし、逆に寂しくて明日から仕事行きたくないくらい」
「…へぇ」

竜胆は、昔から興味のないものには物言いが少し冷たい所がある。褒められた事ではないかもしれないけれど、ワザと取っている態度じゃないことは付き合っていた頃に知ったので、そこは変わってないんだなと思えば安堵のようなものを感じた。

「竜胆の仕事は…あー、聞かない方が良いかな?」
「聞きたきゃ教えてやるけど?」
「いやいいよ。絶対悪いことしてる気がするし聞いたらダメな気する」

悪戯をする子供のように笑った竜胆は、私の言葉を否定をしないから多分合っているのだろう。だってホワイトの企業で首にそんな刺青を入れた人なんて見たことない。でも昔を知っているからか、竜胆を横にして怖いと思う感情は全く起き上がって来なかった。

「あ、蘭さんは元気?」
「兄ちゃん?元気だよ。さっきまで一緒に仕事してたワ」
「兄弟で同じ仕事してるの!?昔から本当に仲が良いね」
「ん。で、ナマエは兄ちゃんに惚れてたよな」
「よく覚えてるね…ってか好きじゃなくて格好良いって言っただけじゃん。好きとは別だよ」
「んでもそれが嫌だったから頑張ってお前を落としたの。なのになっかなかお前振り向いてくんねェんだもん」
「はは、告白が確か"兄貴じゃなくて俺の事だけ見てて欲しい"だったよね。確か」
「…それは忘れて良いから」

付き合っていた頃の私が今聞いていたら、きっと嬉しくて竜胆に抱き着いていた所だろう。
竜胆は今だから言える、とでもいうかのように素直に当時の気持ちをさらけ出して来るから少し気恥しい。本当に蘭さんの事を恋愛的な意味で好きだった訳ではないが、あの時の竜胆はとにかくヤキモチ妬きだった事を思い出す。自分の事を突っ込まれるのは嫌だったみたいだけれど、懐かしくて笑いが込み上げて来た。数年ぶりに会ったのに、最近まで一緒にいたかのように話し掛けて来る竜胆はあの頃より大人びて見える。

「…オマエ酒飲むんだな」
「毎日じゃないけどね。…竜胆は飲まないの?」
「あー俺は運転だし代行呼ぶのもダリぃから飲まねぇ」
「と、いいつつお酒が苦手だったりして?」
「…うるせェよ」

にやぁっとからかってみれば竜胆は分かりやすく顔を歪めるものだから、ついつい声に出してまた笑ってしまった。彼は笑われた事が気に食わなかったらしく、ムッと口を曲げて私のおデコに「笑い過ぎ」と言って軽く中指で弾く。

「…いたいじゃん」
「お前が俺を揶揄うなんて10年はえーんだよバァカ」

彫りの深い目元で笑った顔は昔のままだった。だから変な気分になりそうだった。もう別れて数年も経つのに、その表情を私に向けられると昔のように胸がドクンとまた音を鳴らすのだから、困る。

「あ…じゃあ何で竜胆はお酒も飲まないのにここにいるの?」
「ん?あぁ、新店舗でこんな感じの飲み屋も立ち上げることになったんだけどさ、ここのマスター俺の知り合いなワケ。だから内装とかちょい参考程度な見ておきたかったんだワ」
「すっすごいじゃん。経営までしてるの?」
「別にそこまで凄くねぇよ。経営は別の奴に任せて俺らはその金の回収。金は幾らあっても困らねェってウチの経理が言うからさ。っまその通りなんだけど」
「はぇ

この空気に耐えられなくなりそうで話を変えるも今度は淡々とした口調で飲食店を展開すると言う竜胆に、私は驚く事しか出来なかった。竜胆と離れて数年、多分きっと彼は表沙汰に出来る職種では無いのだろうが、それでも私の口からは自然と「凄いね」と言葉が出てしまっていた。だって失礼だけど、あの頃の竜胆から真面目なお仕事の話が聞けるなんて思いもしなかった。

そりゃあ竜胆、お嫁さんがいる訳だ。顔も変わらず格好良くて、身なりもキチっとしている。オマケに仕事もできるとなればそんなの誰だって放っておくはずがない。

「なに考えてンの?」
「え?あぁ、竜胆は女の子にモテまくりだろうなあって」
「はぁ?ンだそれ」

"結婚したの?"とはまだ聞けなかった。久しぶりに会えた竜胆ともう少し私が話をしていたいと思ってしまったのだ。"別れた男"だけならまだしも、"奥さんがいる人"にこんな事を思ってしまった私は最低な人間である事に間違いない。

「俺は別にモテてねぇよ」
「いやいや竜胆の周りにはいつも女の子が居たじゃん。わたし付き合ってた頃はずっと不安だったもん」
「はぁ?」

お酒のグラスを手に持ちながら冗談めいた口調で口開く。蘭さんの周りにも女の子が耐えなかったが、竜胆も同じぐらい人気があった。竜胆はそんな私の不安を他所に「アイツらしつけぇ」といつも言っていたけれど、当時の私は不安が拭えず、かなり周りに気を張って竜胆が目移りしないようにと頑張っていたからよく覚えている。

「それ言うならお前の方がモテてたろ」
「わっわたし!?私は全然っ」
「いーや?お前と歩いてる度にそこらの男がお前のこと目で追ってんの。見てる奴ら全員殺してェって常日頃思ってたワ」
「マジで?でもそれ竜胆が目立ってただけじゃない?」
「ンな訳ねェだろ。お前が可愛かったからだよ」
「…は、」

咄嗟の言葉に躓いてしまった。
過去の私に向けての言葉だと分かっているけれど、まさかそこで可愛いなんて言われとは想像していなかった。久しぶりに異性に言われたその言葉は、竜胆に言われたからなのか、それとも私が変に意識してしまったからか分からないけれど、酒の熱とは別に顔は瞬く間に熱を上げる。

「ふはっ、お前大人になってもまだそんな顔すんだな。分かりやす過ぎ。スッゲェ顔赤いんだけど」
「きゅっ急にそんなこと言ってくる竜胆が悪いんじゃん!」
「わりーわりぃ。でもやっぱお前変わってねェよ。そういうので恥ずかしがンの昔っから何にも変わってねぇ」

竜胆は私の前髪を右手で撫でるように触れる。思ったよりも近いその距離に、今度は完璧に竜胆に向けて心臓が跳ねたのが分かった。

だって私を見つめる竜胆が、付き合っていた頃の、私が大好きだった笑顔で笑うんだもん。

「…竜胆も笑った顔は変わらないね」
「顔までは流石に変わんねェだろ。老けるぐれェでさ」

恥ずかしさを隠すように口にした言葉も、竜胆にとってはまるで意味もなく直ぐに返され飲み込まれてしまった。空気が段々と変わって来てしまっていることに、どうしようと焦る気持ちと目に映る竜胆の左手の指輪。その指輪を見ると現実へと引き戻されて、ぎゅうっと胸が痛んだ事に気が付きたくなんかなかった。

「…俺らが別れた理由覚えてる?」
「え?……えっと」

竜胆は静かに私を見つめる。
表情を悟られないように耳に掛けていた髪を手で戻して視線を逸らすけど、竜胆は頬杖ついてジッと私を見ているのが分かる。

「…会えば喧嘩ばかりしてて」
「そうそう。で、お前が別れてェって言ったとき、俺もイラついてたからそのまんま別れちまったんだよな」
「…そうだったね」

言ってしまえば倦怠期のようなものだったと思う。お互いに慣れ過ぎてしまって、大事なのに大切にする事が出来なかったのだ。いつの間にか喧嘩が増えて、その度に仲直りして、好きだとお互いに再確認して。それがコツコツと積み重なって疲れてしまって、最終的には2人離れるという選択肢をお互いに了承してしまった。

離れて気付くとはよく言ったもので、本当にその通りだって事も初めて知った。私はちゃんと恋をして、本気で好きになったのは竜胆が初めてだった。だから自分から告げた別れなのにかなり引き摺ってしまって、毎日泣いては後悔の繰り返し。別れて少し時間が経つと、不思議なことに好きだった人の悪い所も嫌だった所も全部良い思い出に変わっていくんだよね。それがまた、私が竜胆を引き摺ってしまった原因でもあるけれど。

「お前はさ、俺と別れてから誰かと付き合った?」

竜胆はほんの少し眉を下げ、穏やかに呟いた。

「…付き合ったよ」
「そ。…どんな奴?」
「どんな奴って……良い人だったよ。私が彼女じゃ申し訳ないくらいに、優しい人…だったけど、」

"竜胆よりも好きにはなれなかった"と、次に繋ぐ言葉は言えなかった。何処か張り詰めているような空気感にカウンターの下の膝の上に置いた手にはキュッと力が込められる。竜胆はそれ以上聞いては来なかった。聞いては来なかったけれど、彼はゆっくり口を開いた。

「俺も。…俺も女居たよ」
「あ、」

…そりゃそうだよね。もう別れて長い期間が過ぎている。それに竜胆は結婚もしているのだ。なんにもおかしい事はない。私だって別れているけれど別の人と付き合っていたし、そう思うのに、途端に胸が苦しくなってしまってつい伏し目がちに竜胆から目を逸らしてしまった。すると竜胆は小さく笑って"こっち向いて"とでも言うかのようにカウンターをトントン、と軽く人差し指で叩いた。

「お前と別れてからヤケになって色んな奴と遊んだり付き合ったりした事もあったけどさ、お前と遊んでる時の方がずっと楽しかったよ」
「……え」
「……お前を超える女が何処にもいねェの」

竜胆の顔はもう笑っていない。私の目を見つめながら、真剣なトーンでそう告げた。

何で今言うの。
今言ってくれても、もうどうしようもない事くらい竜胆だって分かるはずなのに。

今にも鼻が痛んできて目には望んでいないのにも関わらず涙が滲みそう。生理現象は実に厄介だ。それでも私はちゃんと言わなければならない。竜胆とはどう願っても一緒にはいられないし、もう会ってはいけないという事、私はちゃんと理解出来ている。


「…りんどう?」
「ん?」

絶対泣きたくない。元カノが今更未練がましく泣くなんて迷惑だし頭がおかしい。分かっているのに、視界はうっすらと滲んでいく。


「…奥さんのところ、帰らなくちゃ」


竜胆は元から大きな瞳を更に見開いた。







暫しの沈黙。竜胆は目を大きくさせたまま瞬きもしない。ズズっと鼻を啜ってもう泣きたくなかったという私の思考はいとも簡単に崩れ去った。竜胆は何も言わない。店内のBGMと、マスターがカクテルを作る音だけが私の耳へと届いている。もう一度小さく鼻を啜りハンカチで涙を拭いて、財布をバッグから取り出そうとしたとき、竜胆は焦ったように私の腕を掴んだ。

「っおい!何帰ろうとしてんだよ」
「え?…い、や。帰るでしょ?」
「帰んなよ」
「…じゃあ竜胆が先に帰ってよ。その指輪、大事な人と選んだんでしょ?…ダメだよ帰らなくちゃ」

もうバレてしまっているのかもしれないけれど、なるべく心情は抑えるように言ったつもりだ。けれど竜胆は気まずそうな顔を浮かべて、席を一向に立とうとしない。小首を傾げると竜胆は思い切ったように私に目を合わせる。


「……誰とも結婚なんかしてねェ」
「…へ?」
「…だから誰とも結婚なんてしてねぇって言ってんの」

意味が理解出来ずに凝視してしまう私の真横で、竜胆は嵌めていた左手の指輪を外すと、カランと音を立てて指輪が無造作にカウンターへ置かれた。

「…どっどういうこと?」
「だから…言ったじゃん。お前を超える女が何処にもいねェって」
「言ってたけど、ん?」
「お前のこと忘れらんねぇから、他の女には興味持てねぇし話しかけられンのも嫌で、お前以外無理で……だから指輪嵌めて既婚者のフリしてた」
「え?…えっ?」

言いたく無かったのか竜胆は急にカウンターに伏せる。思考回路が停止している私と、カウンターに伏せたまま顔を上げない竜胆。…でも嬉しくて仕方がなかった。そっと今度は自分から、竜胆のふわふわな髪の毛を撫でてみた。すると竜胆はむくっと顔をこちらに向けると、撫でていた私の手を優しく握り決意したように口を開く。

「あんさ…俺らつまんねェ喧嘩して別れちまったけど、ずっとお前がいなくなってから毎日つまんなくて、何かことある事にお前のこと、思い出しちまうの」
「…うん」
「ウマいもん食ったときとか、面白ェことあったときとか、お前とだったらって思ってた」
「ッ……うん」
「我ながらこんな年月経ってんのにキメェとか思うけどさ、それでもやっぱりお前には俺の横に居て貰いたくて。……ナマエの事がずっと好きだったから」

眉に皺を寄せ悲しげに竜胆は笑う。それでも若干緊張しているのか声はほんの少しだけ震えている気がした。


「だからもう一度…俺のこと好きになって、傍にずっといて欲しい」
「もう一度じゃなくて…わ、私もずっと…竜胆の事が忘れられなくて……好きだったよ。」
「……は、泣きすぎだっつーのバカ。…今日会えてほんと良かったわ」


その時の私はもう勝手に涙が溢れていて、竜胆以上に嗚咽と感情のせいもあり声は揺れていた。竜胆は「早く泣き止め」とあの頃と同じように笑って私の背を優しく叩く。これは竜胆と喧嘩をして、仲直りする際によく竜胆がしていてくれた事だ。

数分して何とか落ちつき涙が止まった頃、いつの間にか店は閉店時間になり、帰り際マスターに「おめでとうございます」なんて言われてしまって少々の恥ずかしさが募った。恥ずかしがる私と正反対に、竜胆は何食わぬ顔で「どーも。また来るワ」なんて言っていたけれど。

勿論終電の時刻はとっくに過ぎ、私は送ってくと言われ竜胆の車に初めて乗った。車を運転する竜胆を見ていると、この歳になってもときめいてしまった。私の知らない見たことがない竜胆だったからだと思う。


「ナマエ」
「ん?」


もう時期私の家へと着く頃、竜胆は前方を見たまま私に問いかける。

「もう1回、好きって言ってくんね?」
「はっ、はぁっ!?ここで!?」
「いーじゃん、ちゃんと聞きてぇの。さっきは店だったから声ちっさかったし」

ニッと笑っているのが分かるのに、甘えた声でおねだりする所も変わっていなくて、私はこれに昔から弱かった。"早く早く"と待っている竜胆に、私ばかりが未だまだ緊張が解けていないと感じたから、少しばかりの仕返しを思いつく。

数メートル先の青信号が点滅している。
そこを右に曲がったところが私の住むアパートだ。竜胆の袖を運転の邪魔にならないように握ると彼は「ん?」と小首を傾げた。


「私の家に帰ったら今まで離れていた分いっぱい好きって言ってあげるから、竜胆も沢山私のこと好きって言ってね?」


信号が赤へと変わった瞬間、竜胆は「ぅおっ!」と声にならないような声を出し、急ブレーキを強く踏み込んだ。




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