小説 | ナノ

「釣った魚に餌やらねぇタイプ?」


※梵天軸


大学を出て暫く歩くと道沿いに黒塗りの車が停められている。目立つような所はちょっと、とは言ったが普段余りお目に掛かることが出来ないその高級車自体がこんな場所で停まっているのが違和感ありまくりなわけで結局目立つ事には変わりがない。助手席側の窓を小さく叩くとその音に気付いた車の所有者はサングラスを外し、私を睨みつける顔に背筋がほんの少しだけ凍った。

「…おせェ」
「はは、すいません。これでも走って来たんですけど」

愛想笑いを浮かべる私とは正反対に三途さんは「乗れ」とほんの少し低い声のトーンで舌打ちをする。車に乗り込めば三途さんはハンドルを握り車を発進させるが、これが結構運転が荒いものだから気を抜いても抜かなくとも車酔いしてしまいそうになる。

「ひぇぇ、ここ40キロ走行の道ですよ?今何キロですか!?はやいっはやい!ワイスピの世界ですかここは!」
「ぅっぜー、こんなんで死にゃしねェんだから黙ってろや」
「前見て下さい!いつか事故りますって!」

私を横目で見遣る三途さんの今日のご機嫌は余り良くないらしい。この車に何度か乗っけて貰ったことはあるけれど、いつもよりスピードを出している三途さんに、私の命は今日ここまでかもしれないと心の中で手を合わせる。そんな私をお構い無しに三途さんはスーツのポケットから煙草を取り出し口で一本煙草を咥えた。

「おめェ何で俺に連絡しねぇ?」
「え、連絡?何のですか?あっ赤!赤信号です!止まれですよっ!?」

キキィ!と急ブレーキで止まる車に私の心臓はヒヤヒヤもんだ。バクバクしている心臓に手を当て私の額からは汗が滲むも、三途さん自身はなんてことのないように煙草の煙をフゥっと優雅に吐き出すと眉間に皺を寄せる。

「何のって、テメェ頭湧いてんのかよ。勝手にバイト辞めたろうが!」
「は?ああ、バイトですか?えっと私も今年就活生なんでこれから忙しくなるし、あのバイト先意外と家から遠いのでもっと近いとこにしようと思いましてぇ」
「ハァ?そういうのは普通相談するモンだろうが!」

え?なぜ?なにゆえ?何故三途さんに相談を?
頭にハテナが沢山浮かぶその横で、三途さんは私の表情が気に入らないらしく、信号が青に変わった瞬間アクセルを思い切り踏み込んだ。

「テメェがあそこにいなきゃ誰がたい焼き作ンだよ」
「ぐぇっ!たったい焼きは私元々作ってないですよ、あれは店長です!」
「俺からの連絡無視してんだろうが」
「無視なんてとんでもないです!三途さんの連絡って夜中に来ること多いからちゃんと朝方返してるじゃないですかっ」
「返信おせぇのはシカトと同じィ、野郎だったらテメェの命今頃ねぇぞ」

三途さんは大きく舌打ちをする。返信遅いくらいでなんて物騒な事を言うのだろうか。三途さん、まじ怖い。

三途さんは私がバイトをしていた和菓子屋の常連さんである。いつもたい焼きを買って行く彼の名前を知るまでは、私の中でタイヤキさんと勝手にアダ名が付いていたくらいには、毎度三途さんはたい焼きを購入していた。そんな三途さんと顔を合わせるようになり話をするようになってきた頃、私の連絡先を教えろと半場強制的に連絡先を交換し合って数ヶ月。頻繁では無いがやり取りが増え、こうして今日のようにご飯へ連れて行ってくれることも増えた。この関係性に名前を付けるのならば何だろうか、お友達?とも違うし、彼氏…なワケもない。名前が無い関係性、これしか言いようがない。

「それにおめェ俺がやった服何で着てこねぇ?」
「え?いやぁ、へへ。三途さんがくれた服どれもハイブランド過ぎて大学に着て行けないですよ。私が着てもブランドに着飾られている感半端ないじゃないっすか」
「へへっ、じゃねぇんだわ!俺といるときに着ねぇと意味ねぇだろうが。っつか俺の見立てに狂いはねェ、そのパンピーな考えとっとと捨てろや」
「えぇ…そんな横暴な」

三途さんが何故私を可愛がってくれているのか分からない。可愛がってくれているのかすら疑問に思うけど、一般大学生の自分では到底手に届かないハイブランドの服やら何やらをプレゼントしてくれる辺り嫌われてはいないと思う。しかし普通のプレゼントとはかけ離れ過ぎていて、どういう反応が正解なのか困ることも屡々。素直に貰うともっと喜べと言われ、遠慮すると怒る。何方にせよ三途さんは怒る。





「こういうお店、わたし中華街しか来た事ないんで緊張しますぅ」
「緊張してるように見えねェんだよ。テメェが俺がやった服着て来たらもっとイートコ連れてってやんワ」
「そういう意味じゃないんですよねぇ」
「あ"?」
「何でもないです!嬉しい!ヤバい!最高!」

私が行くような安い(失礼)お店の雰囲気とは正反対に、店の内装からしてランクが高いキラキラして見えるこの店内に驚くも、三途さんは来慣れているのか観賞している私を他所に店員によく分からないコースを頼んでいる。三途さんは料理が来るまでの間キョロキョロと辺りを見回す私を鼻で笑うが、人を小馬鹿にしたような態度はいつもの事なので気にしない。

「ンでぇ、話戻すけどよォ」
「えっ何か話してましたっけ?」
「テメェ…んっとに良い度胸してんな」

眉をピクつかせた三途さんに私は「すいません」と笑顔を取り繕う。こんな態度を取っているが実際は本当に、結構マジで怖い。三途さんからの誘いを断ろうものならばバイト先まで出向き終わるまで待っている事もあれば、教えてもいない大学まで迎えに来たこともあった為に、いつしか私は三途さんのお誘いは断っては行けないという決まり事が勝手に脳裏で出来上がってしまった。

「お前さァ…俺に会いてェとか思わねェわけ?」
「はい??」

コース料理であろう「湯」やら「大菜」等余り聞いた事のない単語の料理がテーブルへと並べられる。「点心」とやっと聞いた事のある料理が運ばれてきたとき、三途さんは未だ箸を付けずに私へと頬杖着きながらその言葉を口にした。軽くふぅふぅと息を吹き掛け蒸したての小籠包を齧ると、中から肉汁が溢れてつい余りの熱さで女らしくも無く声を荒らげてしまった。

「あ"っつぅ!うぇぇ」
「本当アホとバカが混じった奴だわ。ンなのあちぃって見りゃ分かんだろ。ホラ、水」
「う"、ありがとうございます」

コップに注がれた水を受け取り可愛げも無くグビっと飲み干す。プハッとコップから目線を三途さんに移すも、とっても面白くなさそうに顔を歪めている。

「えぇと…三途さん?」
「あん?」
「ひっ…あーっとぉ、三途さんに会いたくねぇのかって話ですよね?」
「しっかり聞こえてンなら答えろや。待つのは好きじゃねェ」

この質問に対して私は考えてみる。考えてみるけれど、まず初めに何で三途さんがそう思うのかが疑問として浮かび上がる訳でして…。

悶々とした場違い半端ない空気に三途さんはここが禁煙であるらしく、煙草を吸いたいのかイライラを隠さずテーブルにトントン指を叩きながら私の返答を待つ。三途さんはきっと怒らせてしまったら今よりもっと怖い人だと思うので、言わなければならない答えは決まっている。

「会いたいですよ!そりゃあもう今日なんて楽しみで眠れなかったんですから!」
「…フン、初めからそうやって素直に言やいーんだよ」
「はい??」

質問の答えは間違っていなかったようだが、何だろう。これでは私が三途さんに会いたくて堪らないように聞こえる返しをしてしまったような気がする。三途さんは満足したのかようやく箸を持ち、余り聞いた事の無い名前(失礼)の料理を口へと運ぶ。この場の空気が変な事に気付いた私は話の流れを変えようと、軽くヤケドしている舌を誤魔化すようにやっと冷めた小籠包を食しながら話題を変える。

「三途さん今日もオシャレですねぇっ!スーツ、いつも何でそんな似合っちゃうんだろ!」
「あん?ンなのどーでもいいワ。あからさまに話変えようとすんじゃねェ」
「うっ」

私の言葉は直ぐに三途さんの言葉により口を閉ざす。ついでに箸を持つ手まで止まってしまった。

「俺が聞きてぇのはァ、なぁんで俺に黙ってバイト辞めちまったのかってゆーことォ」
「いやだからそれはさっき言ったじゃないですかぁ…」
「一言くらい俺に言えっつーの。俺が買いに行ってやってるお陰であの店持ってンだろーが」
「まぁ…そりゃ否定出来なくはないとは思いますけど」

三途さんは私の知る限り週に少なくとも2回は顔を出しており、その度にたい焼き以外にもどら焼きや和菓子をこれでもかってくらい買っていく。今では三途さんが何が欲しいのか大体買うものを分かるくらいだ。それに見た所堅気でない雰囲気を全く隠さずさらけ出して来る三途さんは、店内でどの客よりも一際目立つ存在でもあった。


「テメェがいる日に態々買いに行ってやってるこっちの身にもなれやクソアマ」
「えぇー…そんなこと言われても、って…ん?」
「大学のレポートだが何だかしんねェけど俺よりソレ優先すべきことなのかよ?忙しーとかいうから飯誘うのもこの俺が我慢してやってたのによー。ンじゃ顔見に行ってやるか、って行きゃ辞めたとかババアがほざきやがって」
「んー…んん?」

三途さんが何を言ってるか分からなかった。元より発言自体も頭のネジが一本も二本も外れている人ではあるなぁなんて思った事は何度かあるけれど。

私と三途さんの目が合う。少し気まずいなって思うのは私だけらしい。

「お前ってよォ、釣った魚にはエサやらねぇタイプゥ?いーご身分なこった」

いつの間にか店員はデザートである揚げたてのゴマ団子を運んできた。私の好きな物だけど、そんなことより三途さんの口から出た言葉だ。私は目の前に置かれた好物よりも三途さんの発言に視線を逸らす事が出来なかった。

「何とか言えやナマエチャンよぉー?」
「えっ!?あーいやぁすみません、聞こえませんでしてぇ」
「あ"?」
「聞こえてます!すみません!…えぇと」

っぶねぇ、今の三途さんの顔は平気で人殺せそうな顔してた。冷や汗が背中に伝い体に要らぬ緊張で力が入る中、三途さんは笑顔を取り繕った私を見た後、にんまりと両口端を上げた。

「…はっ。そうかよ、そうかそうかァ。テメェはあんなに俺から連絡してやったり会いに行ってやったり態々俺が見立ててやった服やらバッグやらも使わねェってのは、俺が単純に一方通行だったからってワケなぁ?」
「あっや、ちがっ」
「あん?違くねェだろ。まんまその通りだろうがよ」

三途さんの言葉に冷たくて嫌な汗が体に流れる。
テーブルを挟んだ距離なのに、三途さんが纏う空気はこれでもかというくらいにどす黒い空気が私の直ぐ間近で漂っており、言い返せず口を閉ざしてしまう。

「ハァァァ……おめぇ俺にたい焼き作ってくれたことあったじゃん」
「…たい焼き?」
「…ヘッタクソな餡子がもれちまってる奴」

三途さんの言葉に私はフと思い出す。あれはまだ三途さんが通いだして数回目に店に訪れたときのことだ。

「あぁ、あれは」
「初めて作ったんです!とか言ってたじゃねえーか」
「え?あぁ、そうです…ね?」

あれは休憩中に店長におやつとしてあげるからたい焼き作ってみるか?と言われたときのことである。教えられた通りにやっても餡子が多すぎたのか型からもれてしまった私の人生初たい焼き作りであったが、その時に訪れていた三途さんがジィっと食いつくような目で見ていたから、欲しいのかな?と作った中で一番マシな物を三途さんにあげたのだ。

「…俺の為に作ってくれたンじゃなかったのかよ」
「え?…あっ、あぁ!そうです!その通りです三途さんの為に作った奴ですよぉ!」
「あんなド下手な菓子初めてもらったワ」
「すみませんっっ!」

頭をテーブルへくっつけるがの如く私は三途さんへと謝罪をする。この状況で別に三途さんの為に作ってないです!自分のおやつです!と言える程の空気を読めない私ではない。しかし三途さんは私の謝罪に黙り込むものだから、そろっと目線を三途さんへと上げると合わさった目線から視線を三途さんは逸らした。

「…嬉しかったのによォー」
「はへ?」

三途さんの表情を見た私は石のように固まり、そんな私を三途さんは「見んじゃねェ」とバツが悪そうな顔をする。

「俺さァ、こー見えて女に困った事1度もねェんだワ」
「は、はぁ…?」

三途さんはセットされている髪の毛を気にもとめず掻きむしると、私の元へ三途さんの分であるゴマ団子の皿を置いた。

「それにテメェ俺が顔出すと尻尾振って笑顔で出迎えてたじゃねーか」
「しっ尻尾!?私が!?」
「おーおー、その通りだろうが」

それは奥さんや店長が三途さんにビビってまだぺぇぺぇのド新人であった私に三途さんの担当を託したからである。和菓子屋で担当なんてものは普通無いが、店に入るなりどデカい態度で威圧感を出す三途さんは当初本当にやべぇ怖い人という認識が強かったし(今もそう)、機嫌を害せぬように細心の注意を払いながら笑顔を絶やさぬよう心がけていただけである。

「そのクセによー…。ハァ、テメェ俺様がここまでしてやってんのにおめェくれぇだよこんな無下にする奴は」
「いっいやあでも言ってましたよ?」
「あ?何をだよ」

三途さんの眉はピクリと動く。その表情にビク付きながらも私は出来るだけソフトに笑顔を取り繕い口を開く。

「えぇといつだったかなぁ?前に三途さんの同僚とか言って紫色の二人組が来た事があったんですけどぉ」
「……あ?」



三途さんが店に顔を出すようになって数ヶ月経った頃、三途さんと同じく普通の空気を纏っておらず、二人とも良く似た顔付きをした男の人達が店に訪れて来たことがあった。

「ここが三途のお気に入りの店ェ?案外普通じゃん?」
「お気に入りってかボスが美味いって良く食べてたからじゃねぇの?あ、兄ちゃん俺これ食ってみたい」

二人組は店内を軽く物色すると適当に何個かお菓子を持ちレジへとやってきた。この二人組の首元に同じ刺青があることが私の目に映ると、私の体に緊張が走った。

「あ?レジの子可愛いじゃん。三途の目当て実はこの子だったりして?」
「あんなヤク中どうでもいいよ。あ、今食べるから袋要らない」
「は、はい」

ニコニコ笑っているオールバック調の男は私がレジ打ちしているときも視線が突き刺さってやりにくいことこの上ない。早くこの場を終えようとお釣りを渡したその時、オールバックの長身の方の男が去り際に言ったのだ。

「ピンクの髪色した男来るでしょ、アレ同業者なんだけどお姉さん気を付けなよ?女何人も誑かしてはどうしようもねェ奴だから」
「え?」
「兄ちゃんもう行こうぜ、三途にバレたら後で絶対ぇギャーギャーうっせぇよ」

ヒラヒラと手を振る彼たちに、私も反射で手を振ってしまいながらも、嵐のように去っていった二人組に私は暫くポカンとレジから動けず立ち止まっていた。





「…いつの話だよソレ」
「んー…確か三途さんとこうして外で会うようになる前ですかね?」
「結構前じゃねぇか、クソ兄弟後で絶対ェ殺す。……おいお前、信じてんじゃねぇだろうな?」
「え?何をですか?」
「何をって俺が女誑かしてるとかっつー話に決まってンだろうがよ」

三途さんは私に居心地が悪そうな顔を浮かべる。いつも自信に満ち溢れているような発言をする人が、私に対してこんな顔を見せたことは初めてな訳で、何故か私自身に少しの緊張が走った。

「んー、三途さんてかっこいいじゃないですか。だから誑かしているとは思ってはいませんけど、モテる事には変わりないだろうなって思います。私が三途さんだったら女の子にいっぱいチヤホヤされたら喜んじゃいますもん」

返答は間違いだったのかどうだったのか。三途さんは数秒固まると深い溜息を零しながら眉間に皺を一層深く寄せた。

「お前さァ、ズレてるって言われねェ?」
「別に言われた事は無いと思いますけど?」
「あー…俺さっきも言ったけどさァ女に困った事はねェけどよ、どうでもいい女にこうして飯誘ったり連絡取ったりする程暇な奴じゃねぇの」
「はぁ…」
「物だって気に入らねェ奴なんかの為に選んで割いてる時間なんてねェんだワ。…これだけ言っても分かんねェ?」
「それ、は」

いつになく真剣な顔付きで言う三途さんに私の顔は瞬く間に赤くなる。その顔を見た三途さんはニヤリと口角を上げた。

「俺、振り回されンの性にあわねェし好きじゃねェんだよなァ?ンでもお前だから許してやってたの」
「ふっ振り回していたつもりはっ」
「俺への返信おせぇし迎えは来んなとか言うし、バイトは勝手に辞めるわあげたもんは身につけねェわ、ひでぇー話だわ全くよォ」
「そっそれはそういう意味じゃなくて…えっとぉ」

慌てふためく私とは正反対に三途さんはとても楽しそうに余裕めいているように見える。言葉に詰まる私に三途さんは更に驚く事を私に告げた。

「…好き」
「…あ」
「俺の女になって」
「えっあっ、えっ!?」

三途さんが恋愛的な意味で私を好きだということをこれっぽっちも思ってみなかった私は今更ながらに三途さんの顔を見れないくらいに言葉も喃語しか出ないせいで、三途さんは声に出して笑った。

「ふっ、さっきまで元気良かった威勢はどうしたよ?」
「ちょっちょっとビックリしちゃってて」
「驚くことじゃねェだろ。とっくに気付いてっかと思ったワ」

その笑った顔は私が見た中で一番自然に笑っている気がして、私のこと本当に好きなのかと思ってしまう程、柔らかく笑っていた。顔は熱いし、三途さんの顔が途端に恥ずかしくて見れないし、何より三途さんが私の事が好きだという事が信じられなくて。

「ホラ、あーん」

三途さんはフォークを取りゴマ団子へと刺すと私の口元までフォークをあてがう。更に顔を染める私を心底楽しそうに見つめて満足そうに笑うのだ。あれ、おかしい。今の三途さん怖くないかも。

「俺ェ、仕事中抜けしてまでお前に会いに来てンだわ。仕事終わらせたら速攻でおめェに会いに行ってやっから大人しく良い子でマテ出来るよなァ?」

いつの間にか三途さんのペースに乗せられて、私と三途さんの立場は逆転してしまったらしい。三途さんの言葉に、味がしないゴマ団子を口へと頬り込んだ私はゆっくりと首を縦に頷いた。



「これから俺無しじゃ生きてけねェぐらいに好き好き言わせてやっから楽しみにしとけや」




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