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※梵天軸


竜胆君と結婚して一年。結婚といっても彼の仕事柄、役所に婚姻届を出しにはいけないので口実上の結婚だ。苗字だって私は元の自分の苗字。だけれど私は灰谷竜胆の嫁である。

竜胆君と私の出会いは一年と半年程前に遡る。私の働いていた駅近のカフェによく顔を出していた男、それが竜胆君だ。いつも大体決まった飲み物をテイクアウトしていく彼は大体少なくとも週に2回はこのカフェに顔を出していて、そうすれば自然と顔見知りになるのは自然なこと、それと同時に軽い世間話をするようになったのも時間はかからなかった。

「いつもこれテイクアウトなされていますよね?お好きなんですか?」
「あー好き、だけど…ウン。飲みもんよりお姉さんのことが好きなんだけど」

カウンターに両肘ついて少々上目遣い気味に言われた彼の言葉に、私の全ては持っていかれた。竜胆君は私よりも歳が2つ下。良い歳した年下の男がまるでドラマのような1セリフを少しばかり赤く染めた顔で言うのはほんと狡いって思ったし、その告白に対して私は考える暇もなく首を縦に頷いてしまった。

竜胆君とお付き合いが始まれば私の生活環境はガラリと変わっていった。私の全ての時間は竜胆君の物になり、私の全ては竜胆君のモノになった。竜胆君は末っ子だからか甘えん坊な所が多く、それはそれはもう可愛くて私の中の母性本能たる何かを擽り心臓を取り囲んでいく。竜胆君はそれにプラスするかのように独占欲も強かった。

「俺の為に飯を作って、俺の事だけを考えて、俺の為に家で帰りを待ってて欲しいンだけど」

と照れながら渡されたシルバーのマリッジリング。それと同時に辞めたカフェの仕事。竜胆君が大好きで仕方のなかった私は、いつの間にか竜胆君が私へ向けてくれる愛情の沼に深く深く落ちていってしまったのだ。

彼の住むマンションに引っ越して数日。竜胆君は私が一人でも寂しくないようにとネトフリやらテレビゲーム、買い物に中々一緒にゆっくり行けねぇからと渡されたブラックのクレジットカード。どれもこれも竜胆君が私の為に用意してくれた物。

竜胆君は最近余りこの家に帰らなくなった。毎日数時間置きに交わしていたメッセージは一日に1通か2通あればいい程極端に減っていた。それでも帰ってくれば私は竜胆君に笑顔を向ける。竜胆君は私に変わらず「好きだ」と口にしてくれるからだ。寂しくないといえば嘘になる。同じ家に住んでいるのに一人ぽっちで毎日夜を越すのはこの広い部屋では気も滅入る。

でもこれは竜胆君と付き合い始めた頃にいつかこうなるので無いかと感じていたこと。竜胆君って女心を掴むことが得意な男の人だから。女の子に対してさりげない気配りが出来て、素直に可愛いと褒めてくれる。これをスマートに自然とこなしてしまう竜胆君はきっと色んな子と過去に付き合って来たのだろうと思う。だから私は竜胆君に対して本気にならないようにと線引きをしていたのに、いつのまにか本気どころかめちゃくちゃ彼のことを好きでどうしようもなくなってしまって、表面上だけれど結婚だってしてしまった。彼はいつか特別容姿も可愛くない平々凡々な私に飽きてしまう事を恐れていたのに。





「最近ウチに入った事務員の子が居るんだけどさぁ、その子が竜胆のこと好きっぽいんだよねェ」

コーヒーを啜り世間話をするかのように竜胆君の兄である蘭君は言った。ここ最近この付近で仕事で来る事が多いらしく蘭君はよく私の元へ顔を出す。今では竜胆君が居なくとも二人でお茶を飲めてしまう仲になってしまったほどだし、最近の竜胆君よりも会う回数が多いかもしれない。

「…それは恋愛的な意味で?」
「恋愛的な意味合いしかねェだろ。ヤバいんじゃねぇの?」
「…ほぉん」

私も同じくコーヒーを啜る。蘭君は私の顔色を伺うも表情を変えない私に少なからず驚いている様子だった。

「え?心配になんねぇの?怒んねぇの?竜胆満更でもなさそうだったけど」

蘭君の驚く顔なんて中々お目に掛かれないから写メでも撮っておけば良かったと思う。私は飲んでいたカップをコトン、とテーブルに置き蘭君に向けてにこりと笑顔を見せた。

「想定内です」





蘭君が帰りまた一人の夜が始まる。あのあと私の返答に驚きつつ蘭君から聞いた話では、事務員の子は私ととにかく正反対のタイプらしい。ふわふわ女の子らしい顔付きで、背がちっちゃくて、如何にも聞いていて竜胆君が好みそうなタイプだと思った。

蘭君に言った想定内という言葉は強がって言った訳ではない。本当に初めからいつかこういう時が来るのでは無いかと心の片隅で思っていたから。気分転換の意味もないけれどテレビを付ける。耳には全く入ってこないけど。

本当はさ、こんな広い部屋で一人で見るネトフリは飽きるし、寂しくなるだけだし、ゲームはそもそも私は余り得意では無いから一人ではやらないし、それに渡されたクレジットカードだって、カードを使う程の欲しい物だって思いつかないから使わない。竜胆君が傍に居てくれれば良いのに、竜胆君は私が手に入ってから安心仕切っているのか私のことを厳かにしている気がする。竜胆君は私の事を全く分かっていない。私は竜胆君と一緒に映画だって見たいし、ゲームだって一人でやるんじゃなくてゲームが得意な竜胆君に教えてほしい。買い物もスーパーとかそういうありきたりな場所で良いから一緒に行きたいの。

「結婚なんてそんなもの」これは友達が言っていた言葉だけど、私たちは子供もいないし付き合っていた期間も短く結婚という形になった。だから欲を言えばもう少しラブラブしていたかったというのが私の本音だ。

…さて、家に帰らない私の旦那の竜胆君。どうしてやろうか。私は可愛くない女なので、まだ泣くときではないと思ったし直ぐに竜胆君とお別れしてあげるつもりは毛頭無かった。キャバなら許せる。金と仕事が関与するから。頭の良い女達はちゃんと仕事と恋愛を割り切る事が出来る。だけど自分が働く上での社員と恋愛に発展するのはダメだよ。





久しぶりに竜胆君が帰ってきた。三日ぶりに会う竜胆君は私を抱きしめるとほんのちゅっと触れ合う程度のキスをする。中学生か?と思えるキスをした後は竜胆君は気まずそうに口を開いた。

「俺、この後も仕事だからさ。すぐ行かねぇと」
「…そっか。分かった」

少しだけバツの悪そうな顔を向けてシャワールームの扉を閉める竜胆君。そこで私の目に入ったテーブルの上に置いてある書類たち。本当に忙しいのか、はたまたその事務員の子と会うのか分からないが私はその中の一枚を取り出してキャビネットの中へとしまった。

「ゴメンな」
「仕事だもん、気にしないで」

それはどちらの意味合いの謝罪かな?と口にはせずその代わり物分りの良いフリをして私はシャワーを浴び終えた彼を送り出す。竜胆君は私が書類を抜いたのなんて気付きもせずクラッチバッグに仕舞い家を出て行ってしまった。

広い部屋の中で私はキャビネットを開け、抜いた書類を手に取ると口元は自然と上がっていた。







訪れた次の日。私は竜胆君のいるアジトへと出向いていた。抜いた書類をバッグに大事にしまって。

まず初めに会ったのは九井君。久々に会った彼はこれから取引先と会合があるらしく急いでいる様子だった。私と目が合った瞬間、何故ここにいるのかという顔と気まずそうな表情を一度に器用に浮かべた。

「ふふっ、竜胆君が書類忘れたので届けに来ただけです」
「あ、そっそうか」

そんな顔をするほど梵天内で彼と彼女は宜しくやっているのだろうか。聞けば竜胆君は丁度事務所にいると言うじゃないか。ラッキー、今日の私はついている。

カツンカツンと竜胆君と随分前にデートした時に買ってくれたフレンチ調のヒールの音を鳴らし事務所の部屋まで歩いていく。部屋の前まで付き、一度大きく深呼吸をしてみた。ドキドキしないかと言ったら嘘になるけど私、このままじゃいられない。

意を決してドアノブに手を回し、勢いよく目の前のドアを開けた。


「こんにちはーっ!ウチの竜胆君いますかぁっ?」
「キャッ!」
「えっ!?なまえ!?」

ドアを開けた先に居たのは竜胆君と彼女。彼女のデスクの上に腰掛けて二人で仲良くお茶していたみたい。竜胆君たちの前まで歩み寄ると心底驚いて私を凝視する瞳を大きく開く。

「そんな驚くことないでしょ?はい、家に忘れてたよ書類」
「え?あ、あぁ?書類??」

バッグから持ってきた書類を何事も無かったかのように竜胆君へ手渡し、椅子に座っている彼女に目を移せばなんとまぁ可愛い。やっぱり蘭君の言う通りの女の子だった。ピンクが似合っちゃう系、お目目はちゅるんとブラックのカラコンを入れているのかくりくりだし、髪の毛は艶が掛かって天使の輪が出来ちゃっているし、ネイルだって淡いピンクで強調し過ぎずでも手は抜いていない。オマケに「キャッ」て驚いた声も私より随分と高く可愛いらしい声だった。これは竜胆君、惚れるわ。

「初めまして。私なまえって言います」
「えと、あの…私」

そんな怯えた顔をしなくても。でも隣の竜胆君の方がもっと怯えた顔をしている。見られたくない現場だったよね。私と竜胆君の家には帰ってきても疲れた顔をして早々にまた仕事だと出て行ってしまうのに、竜胆君この子の前では凄く楽しそうに笑っていたもん。お仕事はどうしたのさ、忙しいお仕事は。

「えと…」
「あ、あぁ。コイツは俺のヨメ…なんだけど」
「えっ!?竜ちゃんの!?」

竜ちゃん!?私でも呼んだことのないあだ名を…。そうですか、そうですかそう来ましたか。そう自然とマウントを取りますか。でも可愛いから仕方がない。可愛ければ大体の事が世の中許されてしまうという寂しい現実を私は知っている。そう竜胆君に呼ばせるだけの魅力がこの子にはあるんだろう。竜胆君は慌てふためいているが私は穏やかな口調でゆっくりと告げた。

「いえいえ、わたし竜胆君のお嫁さんじゃないですよ?」
「そっそうなんですか!?」
「はぁ!?お前は俺のヨメじゃん!」
「だって私たち婚姻届出してないじゃん」
「いやそりゃそうだけどさ!は!?意味分かんねェんだけどっ」

私の横で紫色したクラゲさんが声を荒らげているが私はその子へと目を向ける。ビクッと華奢な体を跳ねさせる彼女は私が怖いんだろう。今にも目を潤ませて泣きそうになってる。

「そんなに怯えないでっていうか竜胆君!」
「え!なにっ」
「めっちゃ可愛い子じゃん!!竜胆君さすがっ!」
「…………は?」

私が放った一言で時間が止まったように二人は目を見開く。

「こんな可愛い子なら竜胆君が惚れるのも無理はないねっ!そりゃ家に帰って来るワケないわ!ウサギさんみたいに肌は白いし毛穴もなくてツルツルだし!えっ!私が惚れそうなんだけど!」
「待って待って!なんで俺がこの子好きってなってんの?家に帰らなかったのはマジで仕事だから!この子そんなんじゃないから!」
「もうそんな隠す必要ないって!いつかこうなるってプロポーズされたときから私胸に留めておいていたし覚悟は出来てたから大丈夫!それに男は若い子が好きだってこともちゃんと分かってるから!」
「ハ!?ちげーよ!?え、てか俺がプロポーズした時からそんなん思ってたの?めっちゃ信用ねェじゃん!」
「事務員さん、竜胆君は本当は甘えん坊でね、度々我儘言ったりするだろうしアナタを寂しい気持ちにさせるかもしれない。でも大丈夫!アナタこんなに可愛もん!竜胆君絶対大事にしてくれるよ!私が保証するっ」
「え、と…その」
「いやだから違うって!勝手に保証すんな!ゴメン!最近ほったらかしにしてて!俺が好きなのなまえだけだから!」

竜胆君の言葉に私の口から出る言葉は止まる。…ほったらかしにしていたこと分かっていたんだ。私は竜胆君を見る目を再度事務員の子へと移し静かに口を開く。

「…アナタは竜胆君が好き、なのかな?」

私の言葉に彼女は顔を真っ赤にして首を縦にゆっくり振るも竜胆君は焦ったように弁解しようとする。

「はぁっ?ちょっと誤解されそうなこと言うのマジで辞め」
「そう。好きになっちゃったなら仕方ないよね。止められないもん。うんうん、しょうがないしょうがない」
「しょうがなくないって!待ってなまえ!話聞けよ!」

昼ドラかよと思えるようなこの展開。普通なら悔しくて惨めで情けなくて堪らない展開かもしれない。だけど私は違う。



……いまめっちゃ楽しいもん!!



「竜胆君、私別れてあげてもいいよ」
「は、はぁっ!?なに言って」

竜胆君は信じられないと言わんばかりに表情は青ざめ曇らせていく。私はそんな竜胆君と涙ぐんでいる彼女を見てにこりと微笑んだ。

「竜胆君、私が手に入って一緒に住んでいるからって安心し過ぎてなかった?私ゲームなんて本当はやらないし映画やドラマだって毎日見ている訳じゃないの。あの広い部屋で竜胆君が帰ってくるのずっと一人で待ってたの、いつもね」
「それ、は」
「ああ、別に怒ってないよ?仕事のことは仕方が無いと思ってたし。でも好きな子出来ちゃったなら話は別」
「おい待って俺の話聞いて。俺コイツの事好きじゃないから。本当そんなつもりないから、お願い捨てないで」

竜胆君は私に手を伸ばそうとしたとき、事務員の彼女は竜胆君の手を引きぎゅっと掴みそれを阻止する。

「は?」

ふーん。本当に可愛い女の子だなぁ。一応嫁である私の前でこんなこと出来る度胸のある女。普通いないし頭おかしいだろ。随分と自分に自信のある子なんだなぁ。あーカワイ。

「じゃあ竜胆君。今までお世話になりました」
「おい待てって!なまえっ!」

竜胆君の声を聞こえないフリをして私は二人に背を向け歩き出す。事務所のドアを閉めれば途端に漏れ出すため息、すると何処かで見られているような視線を感じ、横を向けば蘭君だった。

「スゲーもん聞いちゃった
「笑い事じゃないから。ってかずっと聞き耳立ててたの?趣味悪くないですか?」
「だってこんな修羅場中々お目に掛かれねェじゃん?普通に気になんだろ」
「うわー。蘭君がこの事教えてくれた張本人のクセに」

廊下を歩くも蘭君はクスクス笑って着いてくる。絶対楽しんでるじゃん。身内の離婚騒動によくもまぁこんな笑っていられること。今日はどっと疲れたしこういう日はお高いお酒を飲まなきゃやってらんない。涙の一つも見せない私に蘭君は不思議そうな顔を浮かべる。

「つーかなまえって竜胆のことベタ惚れだったクセに平気なの?」
「平気とは?」
「あー、お前竜胆と別れるつもりなんだろ?これから急に一人で大丈夫かって話。竜胆と離れンのは絶対に無理って感じだったじゃんお前」
「あーそれは、」

私が答えようと口を開いたとき、先程竜胆君達がいた事務所のドアがドンッと勢いよく音を立てて扉が開いた。

「待ってなまえ!俺が悪かったから!行かないで!あの女とはマジで何もねェから!」

それはもう焦って体を飛び出して来たのは竜胆君だ。顔色は青ざめこの世の終わりのような顔をし今にも泣きそうになって。私の横にいる蘭君は眼中にないかのよう。私はそんな竜胆君を見るとついつい頬が緩んでしまう。そして隣にいる蘭君に向けて竜胆君に聞こえない程度の声で言った。


「私よりも執着心が強いのは竜胆君ですよ?知りませんでした?竜胆君の方が私がいないとダメなんです」
「…まじ?」
「まじまじ。だって竜胆君のあんな顔蘭君でも見たことないでしょ?」

竜胆君の愛は重い。独占欲も負けないくらいに強い。それは結婚してからも相変わらず。家に中々帰って来なくなっても、一緒に眠るときは私が少しでも離れるのを嫌がってずっと抱き締めて眠るような可愛い男の子。「大好き」、「愛してる」、「お前を振り向かせる為に本当は毎日飲まないコーヒーを買いに行ってたの」、「俺、お前がいないとどうしたらいいか分かんねェぐらいに全部持っていかれちまってんの」等々。言われた甘い言葉を思い返せばキリがないほど何度も何度も聞いたその言葉たち。恥ずかしげも無く素直に伝えてくる竜胆君が、私の事を差し置いて他の女に目移りするなんて初めから思ってもいなかった。でも実際一人で毎日竜胆君の家にいるのは寂しかったし、仕事は仕方の無いことだけれど私がいるにも関わらず事務員の子と仲良くお話するのはちょっと妬ける。少しばかりの私の仕返しだ。余り安心仕切っていると捨てられますよ、知らないよって。私は竜胆君を縛るなんてことをして来なかったせいで、竜胆君のあんな顔初めて拝めたことに満足である。

蘭君は口元を若干引き攣らせ苦笑を浮かべる。

「怖ぇーオンナァ」
「褒め言葉かな?受け取っておくね」

私はにっこりと微笑み、竜胆君の元へ歩み寄る。ぎゅうっとしがみつくように抱き着いてきた竜胆君は小さな子供みたい。

「ほんと、本当ゴメン。寂しい思いもさせて、あんな嫌なもン見せちまって…俺にはお前しかいないから。だから嫌いになんないで。頼むから俺の嫁じゃないなんて言うな…」
「…うん、じゃあ今日の夜は一緒に映画見たりご飯一緒に食べてくれる?」

俯きながら泣きそうに放った竜胆君の言葉に私がそう伝えれば、竜胆君は顔をガバッと効果音が出そうな勢いで上げる。

「ンなことで良いんなら全然するっ!つかそんなことで良いの?許してくれんの?」
「そんなことでいいの。ブランド物とか高い食事とかそういうのいらないから竜胆君がちゃんと帰ってきて私の隣に居てくれたらそれでいいよ」
「っ!ゴメンな。…俺、今日は何が何でも早く帰るから」
「うん、楽しみにしてる」



そんな私たちを見て蘭君はこのとき初めて思ったらしい。

"りんどー気付け!敵に回したら相当厄介なメンドクセー女だぞ!"と。

そう蘭君は心の中で竜胆君に語りかけたらしい。念を送るように。勿論竜胆君はそんなこと気付いてもいないようだけど。


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