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LoveとLikeは違うんです!前編 [ 17/23 ]

神威様、バレンタイン企画にご参加頂きありがとう御座います。総大将のセクハラ(R-16)が入ってますが、一応リクオ夢と主張します。清十字怪奇探偵団編は都合上カットとなりましたが、別の機会で書ければと思います。バレンタインという名のヒロインちゃんの受難話を堪能して頂けたら幸いです。
※当作品は、本編となんら関係ありません。


 何が間違っていたんでしょうか? 思わずそう呟きたくなる現状に、私は頭を抱えている。
「えーっと、ですからですね。お二人とも、首なしさんは映画件でご迷惑を掛けたのでお詫びにチョコレートを奮発したんです」
「首なしなんかに…首なしなんかに負けるなんてぇええ!!」
 滂沱する涙を拭うことなどせず怨念が篭ってるんじゃないかと思うくらい恨みを吐く氷麗と、
「そんなの言い訳にならないよっ!! 特別なのは僕に上げるもんでしょう普通」
 唯我独尊を貫くリクオに私はお手上げだ。ただでさえ、学校でもひと悶着あって大変だったのに、家に帰ってまで騒動が長引くとは思ってもみなかった。
「リクオ様、氷麗、そんなんだと藍に愛想尽かされますよ。今に」
 ニッコリと笑いながら挑発的な言葉を発する首なしに、二人の怒りは頂点に達した。
「首なし覚悟は出来てるんだろうな?」
「そうですよ。三件先の棺桶屋さんに行って自分の棺桶作っていたら如何ですか?」
 ドス黒いオーラを纏う氷麗とリクオに、応戦する首なし。ここに居たら巻き込まれるのは必至で、三十六計逃げるに如かずと云うわけで争いを始めた三名を放置し、私は身の安全を確保すべく逃げた。
 廊下をペタペタ歩いていると、腕を掴まれ部屋に引きずり込まれる。何事だと振り返ると、ニヤッと人の悪い笑みを浮かべたぬらりひょんと目が合った。
「面白いことしとるな、あいつら」
 腕の中に閉じ込められてクツクツと笑うぬらりひょんに、私はハァと大きな溜息を吐く。
「全然面白くありませんから! ぬらりひょん様も、急に現れて人の身体を引っ張らないで下さい。危ないじゃないですか」
「バレンタインなのに、ワシは何にも貰っておらんからのぉ。直接貰いにきた」
 そう言うや否や、ぬらりひょんが私の顎を掴み上げる。丹精な顔が近づいてきて、思わずギュッと目を瞑ると唇が重なった。
 しっとりと冷たい感触と、桜の香りが鼻腔を擽る。チュッチュッと啄ばまれ、思わず唇を開いたら舌を捻じ込まれた。
「んぅ…ふぅ……んんっ」
 歯列を割り舌で歯をなぞられる。身体を引こうとすると後頭部に手を添えられ逃げられないように固定される。
 舌を絡まし吸い上げるリクオとは違う感触に、私は身体が火照るのを止められずビクビクと揺らした。
「あん…っ…はふ、ん…ぅ」
 飲み切れなかった唾液が、唇の端を伝い首筋を落ちる。ぬらりひょんは、それを追いかけるように唇を首筋に這わせ舌で舐め取った。
 クタッと力が抜けた私の上にぬらりひょんが覆いかぶさり、制服のスカート裾から手を差し入れ内股をなぞり上げる。
「ヒャウッ!? ちょ、んぁ…ダ、メ…ですっ」
 無骨な指がさわさわと動きに、私は焦る。これってセクハラじゃないですか?
「ダメと言われたら余計にやりたくなるのぉ」
 足首を掴まれガバッと大きく開脚させられる。先ほどの口付けで反応した身体は、下着にやらしい染みを作っていた。
「ここは、ダメとは言っとらんようじゃぞ」
 ニヤッと口元の端を上げ、足に舌を這わせながら、ショーツ越しに割目をグリグリと指の腹で押される。
「あっ、あ、あ、あ、あ……んんっ」
 グッグッと捏ね回すように指が蠢き、それに合わせて腰が揺らめく。
「下着の役割を果たしとらんな」
 愛液で濡れぴったりと肌に張り付くショーツをぬらりひょんは手を掛ける。
「はふ…んぅー、ぁ……はっ、ん…脱がしちゃ、ああんっ!!」
「脱がさなきゃ良いんじゃろう? 藍は、我侭じゃのぉ」
 ショーツの端から指を差し入れ動かされる。浅い部分をクチュクチュとかき回され、私は呆気なく軽い絶頂を迎えた。
 ドロッとした愛液がぬらりひょんの指を汚す。彼は、見せ付けるようにベロベロと指を舐めていた。
「そろそろ食べごろじゃろう。頂きます」
 聞きたくなかったその言葉。襲われている時点でこうなる事は必至だっただろうが、理不尽すぎる。
 再び覆いかぶさってくるぬらりひょんに、私は逃げられないと悟り諦めようとしたが、桜の声で我に返る。
「ママァ〜」
 思わずぬらりひょんを蹴り飛ばした。ガンッと部屋の壁にぶつかっているが気にしない。あれは、自業自得だ。
「あ、ママ♪ おかお、あかいよ? だいじょうぶ?」
 キュッと胸に懐く桜に、私は制服で助かったと安堵する。以前は、リクオが着物を乱してくれたせいで恥ずかしい思いをした。
「とーしゃま、なにしてるの?」
「おねんねしてるのよ」
 壁と激突し頭を抱えるぬらりひょんに、私はシレッとした顔で嘘を吐く。
「桜は、私とお風呂に入りましょうね」
「あい!」
 元気いっぱいに手を上げて喜ぶ桜を抱きしめながら、今だに蹲るぬらりひょんを一瞥して言った。
「次、セクハラしたら烏天狗さんに訴えますからね」
 ピシャンッと襖を閉め、桜と共に海女の部屋へ非難する。自室に戻れば、リクオ達の騒動に巻き込まれるからだ。
「海、悪いんだけど私の部屋から着替えと氷麗ちゃん連れてきてくれない?」
「構いませんが、何故雪女を?」
「うーん、一緒にお風呂を入ろうかと」
 桜とはよくお風呂に入るが、氷麗とは滅多に入らない。彼女は水風呂しか入れないというのもあるし、お互い当番の時間が一緒にならないことが多く分かれてしまうからだ。
 リクオと言い争っているくらいだ。当番をサボっているのだろう。サボリついでに彼女と一緒にお風呂も入れば多少気は治まるだろうと考えての言葉だった。
「分かりやした。藍様は、先に桜と風呂場へ行って下さい。後で、雪女に着替えを持って行かすでありんす」
 海女は、そう言うと部屋を出て行った。本当に仕事が速いな、彼女は。
「じゃあ、私達も行こうか」
「つららおねえちゃんもいっしょ?」
「後から来るからね」
「わーい♪ おふりょ〜おふりょ〜」
 ニコニコ笑う桜を連れて私は、お風呂場へと向かったのだった。

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