【愛しい君を】


初めて見る表情は、僕を満たしてくれる。
そう思い込んでいたのはなんでなんだろう。
それが、自分がさせている表情だからこそ価値があるのであって。他人によって作り出された、そんな綺麗な笑顔は、酷く腹立たしいだけ、だった。
「――、」
名を呼ぼうとしたけれど、唇がわずかに震えただけだった。
自分を抱きしめるようにして、震えを押さえつける。
不意に、ポケットの中に入ったままだったカッターの存在を、思い出した。
狂気が、騒いだ。

愛しい君を、独占したいと、喚き立てる。

「君は、ボクのもの、だよ。」

カチカチ、そんな音と共に、歩き出した。




ヤンデレすみません!ww



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