701号室、そこに僕の死体がある

君を呪う世界に唾を吐く
心臓はふたつもいらない
月夜烏が踊るころ
愛を鳴く閑古鳥

今宵、きみの心を殺しにいくよ
そうして、きみは死んだ
夏の青と君の白

あなたを纏う

愛を知らないと嘯く君
口にしてはいけない言葉
心臓はここ、外さないでね
愛を奏でる喉笛
君がいた季節

「エサをあたえないでください」

猫は返事をしない
笑う猫に御用心
しっぽをひとふり

常夜に月は昇るか？
廃楽園に花は咲くのか？
赤い紐
雪よ積もれと君はわらう
魔女の指先
まぶたの誘拐/融解
親愛なる君よ、おかわりはいかが？

奇術師は世界を消した
魔術師は神を呪った
神の子の親殺し

排水口へと消えた
愛は骨に、恋は肉に
701号室、そこに僕の死体がある

金魚は大海の夢を見る
水心に沈む
毛布はぼくの城
散らぬ桜で花見はできぬ
肺がぎしりと音をたてた
部屋に窓はいらない
イチバンきたない色

閻魔様の言う通り
幽霊を殺しても罪にはならない
天使よラッパを鳴らせ
ぬるま湯の滝
ハートをきざめ！

幸福に集る蠅
ハイエナのテーブルマナー
折れた口紅の行方
ナルシストが鏡を割った理由

殺人鬼が法を説く世の中
殺人鬼の六法全書

オブラートに包むくらいなら、この頬を殴ってくれよ
蝶よ花よと追い立てられて
獣より獣らしい

ああ、君のいない世界はこんなにも美しい！