「千葉の指ってさ、すげえ綺麗だよな」

「…へ?」


放課後の生徒会室。
今日はこれといって活動らしい活動がなかったから、僕と品川君以外の三人は早めに帰っていった。

僕はというと迫るピアノの発表会に備え楽譜に手直しを加えていたわけなんだけど、
ソファから勢いよく起き上がった品川君からいきなりお褒めの言葉を頂いてしまって、少し困った。


「え…どうしたの?いきなり」

「いや、今俺の手と千葉の手見比べて思ったんだけどさ、やっぱピアノやってるとそんな指綺麗になんのか?」

「うーん、どうなんだろ…やっぱりそうなのかな…」

「ふうん…」

と返事をすると、品川君が僕の隣に座って


「指なげー」

「し、品川君…!?」


手を握ってきた。


(うわああ…!手握られた…!)

普段なら絶対こんな事してくれないのに、
こう二人きりになると甘えてくるんだよね


「うわ、俺こんな手小っせえのかよ… …じゃねえ、お前の手がデカいだけだな、絶対」


手と手を合わせて大きさを計っている。
指先に生まれた差は、ちょうど二センチくらい。


品川君の手、小さくて可愛い
なんて思いながら楽譜を置いて体を品川君の方に向けると、
もう片方の手もとられて、ぎゅ、と恋人繋ぎになった。


「あの…品川君…?」

「…なんだよ」

「顔赤いよ?」

「なっ…う、うるせえ!!」


(なんでこんなに可愛いの…!?)


「ねぇ、品川君」


品川君は顔を真っ赤にして俯いたまま


「…んだよ」


「…キスしてもいい?」


「…!!」


驚いた顔。
赤い顔がさらに赤くなる。


「…千葉」

「なに?」


「手ぇ…そのまんまな」

「…うん」



恋人の可愛い要望に応えながら、優しく唇に触れた。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -