デンジの家に飯を作りに足を運んだものの、この環境の中で料理なんてのは不可能に近いだろう。出来ない事も無いが俺が許さない。まず先にするべき事は、この足の踏み場も無い程のゴミと衣服と屑鉄の山をどうにかする事だろう。おい一体どう過ごせば一日でこんなに部屋を散らかす事が出来るんだ。もちろんお前もやるんだからな、と溜め息混じりに投げ掛けると「あーはいはい」とやる気の無い音が返ってきた。どうやらもう俺にはそれに対してどうこう言う気力さえも無いようだ。慣れというのは怖い。そんな事をいつまでも考えていても時間が相当勿体無い。とりあえず菓子の箱を燃えるゴミ、と書かれたゴミ箱に放り入れるデンジを横目に見ながら衣服をかき集めて畳む作業に入った。いやちょっと待てよ。


「おい待て、お前今箱どこに入れた」
「燃えるゴミ」
「はぁ?」
「何か文句でもあんのかよ」
「呆れて文句も言えねえよ」


まさかゴミの分別さえもまともに出来ないとは思ってもいなかった。もう何度こんな事を考えたか解らない程だが、こいつは本当に俺が居ないと何も出来ない赤子の様だ。勿論自惚れでも何でも無く。実際そうなのだからこう表現するのは仕方の無い事。飯も作れないし掃除も出来ない、俺が黙ってれば外に出る事もしない。現状としてほぼ毎日こうしてデンジの家に通ってる様なものだ。そうでもしなければ不安で仕方無い。
そうこう考えてるうちにデンジがめちゃくちゃな分別をさくさくと進めている事を未だ気付いていない。後々全部俺が分別し直す事は誰もが予想出来た事だろうが。


「今からちゃんとした分別教えるから覚えろよ」
「疲れた。寝る」
「阻止」
「回避」







正しい分別を心掛けましょう

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