ツンツンと上を向いているけれど、きっとあの金糸は軟らかい。

コバルトブルーの瞳だって、大空や海原を連想させるし、心のデカさなんて正にそれ。


全く同じ髪色、虹彩を持つ私は鼻が高い半面。
一緒に歩くと兄妹にしか見られないもう半面に不満を抱いたり。

ティアみたいな色気やナタリアみたいな気品があれば、そんな事も言われないのだろうか。
どちらの要素も縁遠いなぁ。



私ってガイにベタ惚れだわ。



「どうしたナマエ、ぼーっとして」

「なんでもないよー」


「……、」



ガイの眉が寄った。

だらしなく机に突っ伏している私の向かいの椅子に腰掛ける彼は、何処か不機嫌。



「その割りには泣きそうな顔してるぞ」

「…そう?」



そんなつもり無かったのにね。


「悩みがあるなら相談してくれ。ナマエは笑ってる方が可愛いんだからさ」


「…ガイがタラシで困ってます」

「俺は本当の事言ってるだけだし、それが悩みじゃないだろ?」


いやいや。実はちょっとだけホントなのよ?
貴方の言葉一つ一つで、私がどんだけドキドキしてるか分かってます?




「……………ガイの妹に見られるのが、嫌」



素直なような、そうじゃないような。
曖昧で切実な悩みだ。


ちら、と同色の双眸を覗き見れば丸くなっていた。



「そういえば、髪も目も色が一緒だもんなぁ」


目を細めたガイの表情は穏やか。

多分だけど、もしも彼に厄介な病気が無ければ頭を撫でたりするのかも。お兄さん気質だもの。



「俺は悪い気はしなかったぜ?」

「……ふーん」

「ははっ、そう拗ねるなよ」


「てか、過去形なんだ」



ああ、と。輝きすら見える笑顔が凄く眩しい。

じゃあ、何だ。



「今は嫌なんだ」


「嫌、というか。折角なら恋人同士に見られたい」




……………へ?



気の抜ける声を上げたまま固まり。


いつもと違い、意地悪そうに口端を上げてウインクするガイ。



…やられました。






わかっていたのに虜になった
(甘すぎる笑顔の罠で)




 





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