MAIN | ナノ

ag/吉田松陽

※大捏造※
《長編連載》尊皇攘夷派である松陽が30歳で処刑される死ネタ前提。


【銀時と会う前】
名前、23歳で家出し、松陽に拾われる。松陽26歳。

「若い女子が夜に独りとは…物騒な世です、危ないですよ」
「私は都の者ですが、こちらに下ったときに逃げ仰せたのです。どうか、匿っていただけませんか…!今も追っ手が、でも人はどこにも見当たらなくて…!」
「…事情を伺います。とりあえず…行きましょうか」



特殊な実家であるので、匿ってもらう身ならばと身分や事情を松陽に伝える。驚かれるが、受け入れられる。

「ある意味、貴女は私の護るべき目標なのですから」
「正確には父を、ですが。私は違います」
「ふむ…名前様、と呼ぶべきですかね?」
「やめてください!むしろ私がそう呼ぶべきです。松陽さまこそ私をお好きに呼んでください」



家出の理由は政略結婚させられそうになったから。家の絶対権限を持つ天人嫌いな父がいるにも関わらず、周囲が父を騙し天人と結婚する段取りとなった。父は一人娘の名前を江戸に連れて行き、こっそり逃がす。しかし、周囲は名前を探し、嫌が応でも結婚させようと捕らえにかかる。



短期間でも二人は徐々に親しくなっていき、恋に落ちる。まあなんやかんやで両想いなんで、そのうち恋人に。

「恋人ならば、対等でしょう?様付けは卒業ですよ名前」
「う…松陽さ、ん」
「これから慣れください」
「私は女ですが、好い人と対等だなんて…松陽さんは面白い殿方ですね」
「きっとこれからはもっと男尊女卑の思想が増えると危惧しています。せめて名前は、私と対等でいてほしい」



【銀時と邂逅】
名前24歳、松陽27歳、銀時12歳

隠れ延びて半年ほど経ち、時は攘夷戦争のさなか、野暮用で外に出ていた名前が死体の山の上で何かを貪る影を見る。

「しょっ…松陽さん…!あの焼け野原に、不気味な影が…!」
「落ち着いてください。ゆっくり把握しましょう」
「その影は亡くなった方々の上に座り込み、何かを食んでいました」
「今日はもう遅い。明日私が見てきます」
「鬼かもしれません!嫌です!危険すぎます、死人を食んでいるかもしれないのに」
「大丈夫です、名前を護るために武器を持ちますから」



「屍を食らう鬼が出るときいて来てみれば…」の件
「アンタも独りなのか?」
「…独りでした。今は家族がいます。これから君も、私達の家族です」
「…受け入れてくれんのかな」
「その人も、私のところに来たときに君と同じように悩んでいました。人の痛みが分かる、心優しい人です」

学舎に着くと、門の前で名前が待っていた。追われ隠れる身でありながら、長時間外で待っていたらしい名前に心配するも、もえもえきゅんな松陽(笑)



「この子が貴女の見た鬼ですよ」
「まあ!この子が…」

正体が子供と知り驚いた様子だが、事情を把握する。怯え探るように松陽の刀を握り締めた銀時を見て「たいしたものですね…もう大丈夫」と微笑んで抱き締めた名前に「(この二人似てる)」と思う銀時だった。



この二人は兄妹?いや名前で呼んでるし恋人?夫婦?と考える銀時は、結婚していない夫婦ですよと言った松陽にさらに困惑。照れる名前に松陽が「これから、私たちが銀時の親になりましょう」と告げる。

「銀時くん、私のことお母さんって呼んでね」
「名前」
「……あれ、私、嫌われましたか?」
「照れ隠しですよきっと。銀時は寺子屋で学ぶことになるので、私は先生ですかね」
「家ではお父さんでもいいんじゃないですか」
「松陽先生」
「銀時くん…私のこと確実に嫌いだよね…」



愛なんて受けた覚えのない銀時は、松陽の言う通り父母と呼ぶことに照れ、抵抗を感じていた。「気が向いたら呼んでやるよ」とそっぽを向く銀時に、吉田夫妻は微笑みあった。そこは確かに平和な楽園があった。

新たな家族ができました。
1章完→2章に続く(仮)
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -