俺は寝付きがいい方だから、一度寝ると朝まで起きることはあんまりない。だからその日なんで目が覚めたのかは分からないが、珍しく真夜中に目が覚めた。
と言ってもまだ辺りは暗く、一度開いたまぶたが重い。

もう一度寝直そうと目を瞑って、何気なく伸ばした右手がシーツをつかむ。
誰もいない。
そういえば、俺が寝るときトラファルガーはまだリビングで机に向かっていたっけ。なんだか気になって首をドアの方へ回らす。
ドアの下からもれる光。
まだやってんのかあいつは。

起き上がってリビングの方をそっと覗いた。
机の上には開きっぱなしのノートと分厚い本。その持ち主は床の上でまるくなっていた。
どうやら一息付くところが寝入ってしまったらしい。少し揺さぶっても起きる気配がない。


さて、どうするか。

ベッドまで運んでもいいが、その途中に起きたらまた続きをすると言いかねない。
布団はもう一組クローゼットに仕舞ってあるが、いちいち出すのが面倒だ。


答えは最初から決まってる。


机をテレビ側に押しやって、ソファとの間を広くする。ベッドから持ってきた掛布をトラファルガーにも掛けてやって、自分はその隣に寝転がった。
ラグは敷いてあるものの、床は固い。
今度もっとふかふかしたのを買いにいくかなんて考えながらうとうとしていたら、トラファルガーが寝返りをうってこちらを向いた。
手を伸ばして藍色の髪の毛をそっと撫でる。


俺、こいつに甘過ぎかな?


でも、起きた時一人だと寂しいだろ。





お題4:添い寝

一人じゃなくて二人だから




戻る
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -