(現パロ)


(さっきの続きです。ぬるーいですがやってますので注意を!)














ぺろりと唇を舐めれば、そこはほんの少し開く。おびえるように見え隠れする舌を逃さないように口内に侵入して絡め取る。
ちゅうと吸い付けば無意識に逃げる身体をベッドに押し付けて追いかける。食ってしまうかのように貪っていたら、背中に回された手に抗議された。
苦しいらしい。
唇を離して、口の端から零れる唾液を舐めてやれば、ほんのり顔を赤くしたトラファルガーと目が合った。
酸欠のせいかキスのせいか。たぶんどちらも。
顎からその下へとゆっくり舌を這わせる。ゆっくり、ゆっくり。
そう思っていないと速くなる。俺なりに気を遣ってやっているのだ。これでも。
胸の突起にちゅうと音を立てて吸い付けば、身体がびくりと動いて甘い声が漏れた。その反応に気をよくして、そのまま続ける。
舌で押しつぶすように舐めたり、気まぐれに甘く噛んだり。油断しているとすぐに身体を引こうとするから、腰をつかまえたまま逃がさないように。
俺の頭に添えられた手は引き離すためのものだったんだろうが、そんな力は一つも入っていなくて、ともすればもっと触ってと言われているようにも感じる。


「ぁ、あん!…や、ぅ…そ、んなになめっ…んな」
「気持ちいいくせに」
「なんか、へんっ、あ!」
「もっとよくしてやるから」


右側を思う存分嬲ってから左側にもむしゃぶりつく。こちらの方がいいのか、より高い嬌声が上がって細い腰が揺れた。
相変わらずトラファルガーの両の手は、俺の頭をつかんで離さない。やつの神経がそちらに集中している隙に、ジーンズの中に手を差し入れた。
びくびくと震えるそれは、すでに立ち上がりかけていて。下着の中で俺の手をしっとりと濡らした。


「なあ、もうこんななってるけど?」
「いぁっ…、い、ちいち、ぁん!言うな…って」
「初めての癖に淫乱だよな?それとも、初めてじゃねえの?」
「ん、なわけあるかっ…!は…ぁ…お前が、ほったらかしに、するからっ…!」


たぶん男とやるなんてこいつは初めてだと思う。それでもこの感じやすい身体に意地悪を言ってみれば、泣きそうな顔をして可愛いことを言われた。
いつもこれくらい素直だといいんだけどな。
耳元でごめんなと囁いてやると、また身体が震えてはやくと急かされる。
下着ごとジーンズを適当に下ろして、首元にしがみつく腕を背中に回させて、足を抱えあげる。
とろとろと流れ出る先走りを指先に絡めて、そっと奥を探った。ゆっくりと指を進める。
俺だってこんなことするのは初めてなんだが、たぶん間違っちゃいないはず。
それより、眉根をぎゅっと寄せて堪えるトラファルガーの顔がもっと見たくて、殊更ゆっくり指を動かした。


「入ってんの、分かるか?」
「ぅ、あ……や、キモチ、わりい……っつぁ!」
「あー、ここ?か」
「ひぁ!や、ぁん!そっ、こあ、あぁぁっ!」


鍵型に曲げた指で奥のほうを引っ掻いてやるとどうやらその当たりがいいらしく、明らかにさっきとは違う表情が顔に上る。
内側をかき回される初めての感覚についていけないのだろう。藍色の目には不安そうな色が宿って、ゆーすたす屋、と名前を呼ばれた。
安心させてやりたいけど、でも今はその表情を見ていたくて、入口を広げて指の数を増やした。
ばらばらに動かしながら奥を攻めてやると、ひっきりなしに甘い声が響く。


「も、むりっ……、な、ぁん!ひ、ぁあ!ゆー、すたす、やぁ……」
「ロー、入れんぞ?」
「っん。う、ん。ま、ってる、からっ…!」


こいつはよすぎてどうかしちまったんじゃねえだろうか。待ってるだなんて、なかなか言ってくれないのに。
ぎゅうと抱きついてくるトラファルガーを宥めるように、寄せられた眉根にキスを一つ。足を抱えなおして俺自身をあてがった。
熱く蕩けたそこは、俺が知ってる今までのよりもずっときつくて。
そりゃぁ女じゃねえもんなあと頭のどこかで考えながら、だんだんと自分も余裕がなくなっていくのが分かる。
ゆっくりしてやりたかったけど、お前が必死な顔で抱きついてくるから。あれこれ考えてる余裕なんてなくなった。


お前だって我慢してたかもしれねえけど、俺はもっと前から我慢してたんだ。




結局一回ではことはすまなくて、ベッドと後処理に入った風呂場で合計3回。
初めてにしちゃやりすぎだったかと、トラファルガーの腫れぼったい目元を見ながら少し反省する。
隈に沿って目元を撫でてやると、眠たげな藍色がこちらを見た。


「……もうやんねえぞ」
「もうしねえよ。今日は」
「お前、さ。案外余裕ねえのな?」
「我慢してたっつったろ」
「ふふ、必死そうな顔、可愛かったな」
「さっきまでよすぎてボロボロ泣いてたくせに」


うるせえと言って向こうを向いてしまった身体を後ろから抱きしめる。
そういや飯食ってなかったかもと思い出して、明日の朝はオムレツがいいとつぶやくと、
明日くらいは俺を労われと、回した腕に手を添えられながら言われてしまった。



なるべく焦がさないように努力はするか。




いつもどおり、のすこしまえ




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