「…おう、分かった。明日は早めにそっちに寄る。そういやこの前貸したあれどうだった?」


さっきから俺はキッドを抱っこしてソファの上でじりじりしている。
原因はあれだ。ユースタス屋の電話。
俺がライブツアーの合間をぬって帰ってきて、久しぶりにあいつと飯食って、キッドと遊んで、そのあとは久しぶりに二人っきりでいちゃつくはずだったのに!
帰ろうとしてるあいつを隣に座らせて、さぁこれからだって時に俺にとっては最悪のタイミングでユースタス屋の携帯が鳴って、そのまま俺は取り残された。
相手はたぶんキラー屋。あんなに電話で楽しそうに話すのは奴しかいない。
別にいい。ユースタス屋に友達がいたって、電話で楽しそうにしゃべったってそれはいい。

でもな。

それは俺のいないときにしてくれ!

我慢できなくなった俺は、ユースタス屋の手から携帯を取り上げてそこらに放った。
もちろん電源はしっかり切って、だ。
びっくりした顔のユースタス屋が俺に何か言おうと口を開きかけるが、言葉になる前に唇ごと飲み込んでしまう。
そして背中に手を回してそのままソファに倒れこんだ。



俺がいるときは俺だけでいいんだよ!



そいつと話すな


家主から同居人たちへ17の命令


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