誰かの声がする。それと同時に少々乱暴に揺さぶられて、意識がゆるゆると覚醒した。
誰だ、俺のこと起こすのは。


「おい、トラファルガー起きろ。早くしねーと迎えが来るぞ」


まぶたを持ち上げれば目に飛び込んできた赤。
そうだった、ユースタス屋がいるんじゃねえか。
半ば脅してつれてきた俺のお嫁さん。本人は同居人だって言い張ってるけど。


「んんー、おはようのちゅーは?」
「まだ寝とぼけてんのかてめえ。二三発殴ってやったら起きるか?」


さっさと着替えろよと言って出て行こうとするユースタス屋の腕を捕まえて、広い背中にがっしと抱きつく。
ああ、なんかいい匂いすんな。そんであったかい。


「おい、寝るな!はなれろ!」
「うー、洗面所までお願いしまーす」
「ざけんな、てめえで行け!」
「おれー、朝弱いからむりー。つれてけー…」
「寝るなっつってんだろ!この低血圧が!」


さっきより乱暴に揺さぶられてるけど、俺の意識はまた沈みそう。
だってユースタス屋いい匂いするしあったかいし気持ちいい。
寝るなって言うほうが無理。それにこのままでも、おまえは優しいからつれてってくれるだろ?






つれてけ


家主から同居人たちへ17の命令


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