(現パロ)
(すでにお付き合いしてます)
(嫌というほどラブラブです←)
(これと同設定)
俺のユースタス屋は美容師をしている。腕がいいのかどうかはよく分からない。
まあまだ修行中の身だって本人が言ってたし、他に比べられるほど美容師を知らないから。
俺にとって重要なのは、ユースタス屋が俺の髪を切ってくれるってこと。ほんとは毎日一緒に風呂入ってシャンプーとかもして欲しいんだけど、そこまではしてくれない。
月に何回か俺たちは示し合わせて休みを取る。と言ってもお互い忙しいからな。一日しか取れないときもある。
休みが一日しか合わないなら、カットは次の月に延期。二日か三日、休みが合った月にカットしてもらう。
「ユースタス屋、髪切って」
「まだいいんじゃねえの?」
「揃えるだけでいいから。来月休み合わないかもしれねえし」
「他んとこ行きゃいいのに」
「ユースタス屋がいいんだよ」
俺はもともと自分の髪形についてそう煩くないし、髪の伸び具合だって早くもないから、ほんとは毎月切ってもらわなくてもいい。
それに、俺のほうが休みの融通も利くから、どうしてもってならどこか近くの理髪店にでもに行けばいい訳で。でもそれじゃあだめなんだ。
ユースタス屋が俺のためだけにしてくれる。その時間が何より欲しいから。
床に新聞紙を引いて、俺を椅子に座らせて。ユースタス屋が白い布をかけてくれて、腰に仕事道具を着ける。
俺の髪を触りながら、ふざけていつもユースタス屋が聞いてくれるところから、俺たちの“美容院ごっこ”は始まる。
「今日はどうしますか?」
「とりあえずかっこよくお願いします」
「お客さん、髪形だけかっこよくなっても釣り合わないですよ」
くすくす笑いながら、ユースタス屋がはさみを持って手を動かしていく。シャキンシャキンと軽快な音。
耳側を切るときユースタス屋が隣に来るから、ついつい顔を見上げてしまっては、前向いとけって注意される。
仕事中の真剣な、でも優しい顔。見ていたいんだ。鏡の中にはうまく写らないから。
少し髭を剃ってもらって終了。俺の髪は短いからほんとにすぐ終わる。髪の毛を掃って、最後のお楽しみ。ユースタス屋が香水をつけてくれる。
店ではやらない、俺にだけのサービス。
「どれがいい?」
「ん、その赤いやつ」
「3番のやつな」
ユースタス屋の指が、俺の耳の後ろから首筋をそっと撫でる。ふわりと香る艶やかな匂い。
あたたかな指先が肌を這う度に、俺の中で脈が打つ。触れられてるだけなのに、どきどきする。
鎖骨まで撫でられてため息が出た。ヤバイ、ぞくぞくする。
「興奮してんじゃねえよ」
「しょうがねえだろ、ユースタス屋に触られてんだから」
「変なやつ……」
苦笑するユースタス屋を引き寄せてキスをねだった。額に下りてくる唇もやっぱりあたたかい。
座ったままユースタス屋に抱きついて、胸の辺りに顔を埋める。
俺たちは今、同じニオイになってるんだ。
きみが触れてくれるから
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