(学パロ)
これの続きです)
(R注意!)










ユースタス屋と恋人になった。


あれから一週間。まだなんだか信じられなくて、友達のままのような恋人のような、なんだかふわふわしてくすぐったい感じ。
一緒に登校するのも昼飯食うのも遊びに行くのも変わらないけど、一つ変わったのはユースタス屋がキスしてくれるようになったこと。
学校帰りに俺んちの前でとか、昼休みに屋上でとか。
額だったり頬だったり唇だったり。ぎゅっと抱きしめられて唇が触れる。
ただそれだけのことなのに、ユースタス屋にされてるってだけで、どうしてこうもどきどきするんだろう。

日曜日。特に出かける予定もないから、ユースタス屋の家でテレビを見てる。
家には誰もいなくて二人きり。これもそんなに珍しいことじゃない。おばさんが作ってくれた昼飯を二人して食べて。
別にいつもと変わらない。付き合うようになったからって、俺たちは取り立ててどこかに行くようなことはなかった。
学校の帰りにスタバとかマックに寄ったり、CDとかアクセ見に行ったりとか。大抵の用は放課後に済んでしまったから。
あ、でも一つ違うのは、今では約束しなくても毎週休みの日は会ってるってこと。
これまでだってほとんど休みの日は一緒に過ごしてたけど、一応明日行くからとかメールで確認したりはしてた。
今はもう当たり前みたいになって。小さなことだけど、変化してる。


日曜の昼間なんてろくな番組もやってなくて、つまんねえと零したユースタス屋が、DVDのラックに手を伸ばす。
適当に取り出してセット。そのあとこちらへ戻ってきて、俺を腕の中に収めるようにして座った。肩越しに回される腕と、背中に感じるぬくもり。
正直どうしていいか分からなかったからユースタス屋を見上げると、頬が少し赤く染まっていて少し笑えた。照れるくらいならしなけりゃいいのに。
少し力が抜けて、ユースタス屋に背中を預けると、肩口に顔を埋められた。そっと頭を撫でてやると、安心したように息が吐き出された。

DVDは前にも見たことあるやつで、ぼうっとしながらなんとなく画面を追う。
そこまで集中していないのはユースタス屋も同じで、でもなんとなくこうやってぼんやりしているのが心地よくて、特に喋りもせず画面を見つめた。
午後になったばかりの日差しが気持ちよくて、ユースタス屋と一緒にいられるのが心地よくて、しあわせすぎて胸の奥が少しきゅうっとなる。
もう一度ユースタス屋を見上げると、赤い瞳が俺のほうを見てくれて、そのまま唇が重ねられた。
俺より少し大きな手のひらが俺の顎に添えられて何度も何度も。ゆっくり、俺の呼吸を窺いながらの優しいキス。
熱い舌が歯裏をくすぐって俺の口内を犯す。やられっぱなしじゃ性に合わないので、動き回る舌を捉えて俺からも吸い付いてやる。
舌が絡まりあって、飲み込みきれない唾液がこぼれるけど気にしない。
まだ、まだ、もう少し。ユースタス屋のシャツをきゅっと握ると、俺を抱きしめていた腕の力が少し強くなった。



キスを覚えたばかりのガキみたいに、そればっかり繰り返してて、いつの間にか床の上で抱き合ってた。
俺の上にはちょっと切なそうな顔をしたユースタス屋。手を伸ばしてその頬を撫でると、手のひらにもキスされた。


「すんの?」
「ああ」
「今ここで?」
「そのつもりだ」


強引な言葉とは裏腹に、俺の釦を外すユースタス屋の指先は少し震えていた。
俺も手を添えて、自分で前を寛げる。露になった俺の胸をユースタス屋がそっと撫でる。
その指先に触れられるたびにどきどきした。俺もユースタス屋のシャツを脱がせる。
現れたのは俺と違って逞しい胸。腹筋に指を這わせると、くすぐってえと笑われた。
面白がってキスしてやるとひくりと動く。ふふ、なんかかわいいなあ。


「な、お前の心臓どきどきしてる」
「お前だって同じだろ……。なあ、ここ、よかったりしねえの?」
「っん……なん、か、きもちいってか、ふ、くすぐってえ。ふふっ、ぁ、ん」
「やっぱ女とは違うか…。んでも、ちょっと勃ってきた」
「ん、ん……ぁ……なんっ、か、ちょっと変な感じ、っする」


俺の乳首に舌を這わせながらユースタス屋が見上げてきた。どうやら手順通りやるつもりらしい。
俺は女じゃねえから気持ちいいとかよく分からないけど、始めはくすぐったかっただけのそれが、だんだん言いようのない感触を生んでいく。
片方は口に含まれて、もう片方は人差し指で優しく引っかかれて。ちゅっと吸い上げられて身体の奥が震えた。
やば、これきもちいいかも。


「きもちいいのか?」
「ん、ちょっ、と……」
「すっげきもちよさそうだけど?」


にやっと笑ったユースタス屋が、左側を甘く噛んだ。あ、だめ、それはだめだ。
俺ばっかりいいようにされたくないから、ユースタス屋のベルトを外して前を開けてやる。そしたらユースタス屋も同じようにしてきて、自分のが外気に晒された。
お互いちょっと反応してて笑いあう。
ぴとぴとと先をつついてやると、ユースタス屋がない眉を寄せた。


「なんだよ、もう興奮してんじゃん」
「お前だってそうだろ。…っ、俺に舐められたの、そんなよかった?」
「ばーか、うぬぼれんな。……な、触ってもいい?」
「ん。俺も」


お互いのにそっと手をかけて、上下に動かした。
俺もユースタス屋も初めてって分けじゃないし、男同士だからどうすれば気持ちいいかとかはよく分かってる。
ユースタス屋の手のひらでされんのは、自分でやるより何倍も気持ちよくて、ただ触られてるだけなのにすぐに自分のが反応するのが分かった。
先を指先で弄られるのがたまんなくて、あのきれいに切りそろえられた爪先に溶かされそうで。
声ともため息ともつかないものを吐いて、ユースタス屋に寄りかかったら、俺を支えている手に引き寄せられて密着した。
俺のと自分のをいっぺんに握りこんで擦られる。あー、これいい。
だんだん頭の中がぼうっとしていくけど、耳元で聞こえるユースタス屋の浅く吐き出される息遣いに少しうれしくなった。
気持ちいいのは俺だけじゃねえんだって。


「ふ、あ、ぁ……っ、ゆ、すた、っつぁ、も、出る…!」
「ん、も、ちょっと、まっ、く……ぁ」
「や、にぎんなって、あ、ぁ、ん―――!」
「は、んっ……、……!」


どくんと吐き出されたお互いの熱を手のひらに受け止めて一息つく。ユースタス屋の唇が額や目尻に降って来て、心地よくて目を閉じていたらそっと床に寝かされた。
ちょっと待ってろと脱ぎ捨ててたシャツをかけられて、部屋を出て行くユースタス屋を目だけで追う。
帰ってきた奴の手に握られていたのはローションで、ああ、やっぱ最後までするんだなあとどこか他人事のように思った。


「それ、女にもやってた?」
「妬いてんじゃねえよ。気持ちいいほうがいいだろ」
「べーっつに妬いてませーん」
「かわいくねーぞ、それ。ほら、後ろ向け」


けらけら笑いながらふざけてやると、ユースタス屋が俺の頬を軽く撫でた。
マジで妬いたって思ってんのかな?俺は気にしてねえのに。
心なしか俺をひっくり返す手つきが優しくて、まあ痛いだろうけど我慢しようと決めた。
ひやりとした指先が後ろを行き来してなんだか気持ち悪い。
潤滑油の塗された俺の穴は、指が差し込まれるとき痛くはなかったものの、やっぱり快楽を拾ってはくれなくて。
目の前のクッションに顔を埋めて耐えていたら、不意にユースタス屋の指先がぐいっと押しつぶしたそこに電流が走ったみたいになる。
びくりと肩を震わせた俺に気付いたのか、ユースタス屋がそこばっかり刺激してきて、ついに声が漏れた。


「なに、ここ、いいのか?」
「んぁ、あっ、あ、ぁ……!な、んか、っつぁん!」
「こっちも濡れてきた」


前触れもなく指を増やされて大きな声が出た。
ぐちゃぐちゃとかき回されるのはまだなれないけど、中の一点を突かれるのと同時にユースタス屋の手が前にも回って、また頭をもたげた俺のをゆるゆると抜いた。
なんだか身体の中からじんじんとあつくって、ちょっと首を回してユースタス屋を見れば、向こうも結構余裕のない顔をしてた。
顔を寄せられてもういいかって律儀に聞くもんだから、いいよの印に目の前の唇にかぷっと噛み付いた。
ゆっくりと入ってくるあついあつい塊に、ぎゅっと目を閉じてユースタス屋にしがみつつく。


「な、あ、平気か?痛かったら、やめる、か?」
「ん……!あ、あっ!は…いい、から。やめ、んな」
「無理すんなっ、って……!」
「無理、してんのはお前だろ…」


俺がよっぽど辛そうな顔をしてたのか、ユースタス屋が動きを止めて俺のほうを伺う。痛いけど、でも、やめて欲しくない。
腰をゆすって動けよと囁く。でも俺もつらいから自分で前を弄ってたら、ユースタス屋の手がそれに重ねられてゆるゆると動かされた。
深呼吸を繰り返してたら、だんだん気持ちよさを感じてきて、中でゆっくり動くユースタス屋のも気持ちよくなってきて。
ぐいっと奥を突かれる度に吐息が漏れて自分の中がきゅっと収縮するのが分かる。


「な、ロー……気持ち、いい?」
「んぅぁっ……!も、わかんね…けど、やっ、ああ!!」
「こっち、すげー溢れてきた…」
「ひぁ!う、先ばっか弄ってんじゃ、ね、…ぁん!」
「俺、そろそろイキそーなんだけど」


お前ん中気持ちよくて、と耳元で囁かれてまた中が締まる。
ゆっくりだったユースタス屋の動きもだんだん早くなってきて、揺すりあげられるたびに俺のいいとこばっかついてきてそろそろ我慢できなくなってきた。
俺もってかろうじて言葉にすると、背中に一つキスされてぎゅうっと抱きしめられた。
ガクガク揺れる身体はもう自分じゃどうしようもなくて、一番奥のとこを突かれた瞬間、頭ん中が真っ白になってイッた。
その一瞬あとにユースタス屋が俺の中から抜け出て、あついのがぶちまけられる。
重なってくる身体が重たくて、なんかべたべたするけど構わずに抱きしめてやった。





「は……おつかれ」
「お疲れって、お前、おっさんじゃねーんだから」
「だってお前、なんか辛そうだったし」


初めてだから心配してやってんだよってユースタス屋の顔が少し赤くなる。その顔にくすくす笑ってたら、ユースタス屋はさっさと立ち上がって服を着だして。
余韻てものを楽しめよお前。
でも、俺の身体もさっと拭ってくれたから、俺も服を申し訳程度に着てユースタス屋にくっついた。
背中を預けるんじゃなくて、今度は向かい合って肩に手を回して抱きつく格好に。


「またしような」
「当たり前だろ」


俺の耳に唇が触れて、そのままキス。顔はよく見えないけれど、多分まだ少し赤いままなんだろうと思う。
くっついてたら俺の心臓の音も聞こえるかな。でもきっと、その速さはお前も同じはず。


ほんとに恋人になったんだ


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