(画家パロ)
(画家キッド×モデルロー)
白いシーツに顔を伏せると、お日さまのニオイがした。白壁の室内は明るくて、俺の視線の先でレースのカーテンが揺れている。
言われたとおりに目を伏せて、斜め下の床板を見つめた。
さらさらと、紙の上をチョークが走る音がする。
皮膚の上を滑る視線。赤い瞳がこっちを見てるのが分かって、心臓の鼓動が早くなる。
ユースタス屋の描かれるのは初めてなんかじゃないけど、いつだってどきどきする。
直に触られてるよりももっと直接感じる感触。指一本触られてないけど、見られてるところが熱を持って、俺は甘いため息を押し殺す。
俺の中身を全部見られて、確かめるように触られてる感じ。イーゼルまでは1メートル以上距離があるのに、ユースタス屋をものすごく近くに感じる。
ヤバイ、これ仰向けのポーズだったら俺勃っちゃうな。見られてるだけなのにぞくぞくする。
「こっち見んな」
いつのまにか、視線がユースタス屋のほうに行ってたらしい。
不機嫌そうな声で目線を戻せと言われる。
ちぇっと心の中で舌打ちしつつも素直に目線を戻した。シーツの中にため息をもう一つ。終了を告げるアラームがなるまで、あと何分だろう。
電子音がそのときの終わりを告げて、ユースタス屋が床に散らばった紙を集めだした。
俺は全身の力を抜いてベッドに沈む。だめだ、起き上がれない。
見られんのって疲れるんだよな。特にユースタス屋に見られんのは。
お疲れさんと言って頭を撫でてくれるユースタス屋に寄りかかった。まだ着替えてねえけど構わない。
シーツを適当に引き寄せて、甘えるようにもたれかかると、チョークの粉がついた手をぬぐってから、ユースタス屋が抱き寄せてくれた。
俺の一番好きな時間。
「な、描いてたの見せて」
「別に、いつもと変わんねえぞ」
「いいんだよ。モデルの俺には見る権利がある」
「権利とか、小難しいこと言ってら」
苦笑するユースタス屋の手からカルトンを受け取って、中を開く。今日描いた分だけじゃなくて、いろいろ入ってるのをぱらぱらと捲って見る。
窓からの風景、昼寝してる猫、街路樹の葉っぱ、それから俺。
すっ裸で横たわってるのだけじゃなくて、本読んでるのとか、眠ってるのとか。描かれた覚えのないものに、いつ描いたのと問えば、なんかよかったから覚えてて描いた、って。
「おい、なんで泣き顔とかあるわけ」
「そりゃお前が一昨日の晩ここで泣いてよがってた……」
「んなの描かなくていいだろ!」
「すっげイイ顔してたからつい」
「ついじゃねえ!」
俺の手から取り上げられたカルトンは、もう手の届かないところ。
抱きしめられて耳元で意地悪な声。お前のことだったら全部覚えてるから、なんて。
悔しいから体重をかけてユースタス屋を押し倒す。腹の上に乗っかって、腰を揺らして。指先で頬を撫でたら、優しいキスが一つ。
ああ、このままやっちまいてえな。視線だけじゃなくて、その全部が欲しいよ。
とっくに俺のものだけども、毎日だって欲しいんだ。
「俺、練習行くの3時からなんだけど」
「ふうん、それで?」
「ユースタス屋は俺のことそれまで抱けばいいと思います」
思わず、といったように吹きだしたユースタス屋に抱きついた。
絵具とかいろんなもののニオイがする。なんでもできる大きな手が、今度こそ直に俺の肌を撫でて。
邪魔っけなシーツは足元に蹴りだしておいた。
さあ、いいよ。まだまだおれのこと堪能して。
心まで描いて欲しい
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のあちゃんとこの素敵な変態画家についてお話していたら、画家パロウェーブが来てしまいました(お前)
生憎うちのほうはローさんがやや変態ですね←←←
補足説明ですけど、ローさんはとある劇団の役者をやっていて、モデルはバイトでやってます。でもヌードはキッドさま限定だそうですよ^^^^
新たな萌えのきっかけをくれたのあちゃんに感謝!私も大好き!!(私信極まりないな)
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