菩薩と羅刹  




ネットのどこかで、双子の片方は自殺率が高いらしいというのを見たことがある。
自分がいなくてももう片方がいるから、とのことだ。
他にも双子は羅刹と菩薩の生まれ変わりで、
先に下の子を押しのけて生まれてくる方が羅刹で
羅刹は迫害や、間引かれたりするんだとか。

私は、羅刹だった。

「おい。学校行くぞ」
私は承太郎と双子の姉。
彼は外人らしい整った顔つき、綺麗な瞳
彼を一目見れば誰もがその容姿に魅了される。
それに比べ私は日本人らしい顔つき、どうやっても外人には見えない
あの綺麗な瞳も、整った容姿も私には無いものだ。
双子だというのに月とスッポン、天と地ほどの違いがある
彼は何をしてもそこそこ以上のことができるけど
私は何をしても人並み以下で、なんの取り柄もない。
今日も最悪な気分で靴を履き替える
玄関にはいつも承太郎が待っている。いつも一緒に学校へ行くということになっているのだ。別に約束をしたり私が一緒に行こうと言っているわけではない。

「・・・今日は一人で行きたい気分かも」
「何言ってんだ。早くしろ」
「はは、だよね」
私は彼が羨ましくて羨ましくてしょうがない。
なんで双子なのにこんなにも違うんだろう、
彼は私の最大のコンプレックス
彼がいなければどんなに楽かと何度考えただろう。
いつものように、彼と二人で登校すればジョジョ、ジョジョと周りから人が集まる
私は彼と距離を開けて地面を見て、なるべく目立たないように歩く。
承太郎の周りに集まる女性に、私はとても嫌われているから
目立たないように、刺激をしないように隅っこで地面を見ているしかない。

「・・・一緒に登校する必要ないじゃん。」
そう呟いても誰にも聞こえない。
私の声なんて、誰も聞かない







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