私は空条承太郎が怖い  




空条承太郎が怖かった。
不良というレッテル、風貌、言葉遣い
整った顔、逞しい身体、低い声、あの日本人にはない瞳の色も。
そして何よりあの視線が怖いのだ、とても。
彼は何故か私の頭からつま先まで、視線を舐めるように這わすのだ。

(怖い…。)
いつか不良をいっぱい連れて
私の所に殴り込みに来るのではないだろうか。
そんな不安ばかりが頭を過る
だが、私のその考えは外れていた。


「好きだ。ずっと前からお前を愛していた」
「……へ?」
もちろんイタズラや罰ゲームなのではないかと聞いたが、目の前の彼は怖い顔をして否と答える。
もし、この告白が本当の告白でも
私の答えは、いいえだった。
正直、平凡な私はまだ彼のことが怖いのです。

「す、すいません。
そういうのはちょっとわからないというか…」
「…つまり、俺とは恋人にはなれません、さようなら。ということか」
「ま、まぁ…そうですね」
「そうか。わかったぜ」

あぁ、よかった。
やっぱり遊びだとか気の迷いだったんだ、
よかった、すんなりと認めてくれて

そう安堵した瞬間、
私はお腹になにか衝撃を感じて、その場に倒れた。

目の前が真っ暗になる瞬間、空条くんはとても嬉しそうに笑っていた、
まるで欲しいおもちゃを買ってもらった子供のようだ
こんなにも綺麗な笑顔の空条くん、きっと他の女の子たちが見たら狂喜乱舞するだろう。


「………怖い。」
私は彼が、とても怖い。







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