先輩が好き  




俺はずっと名前先輩のことが好きだった。
名前先輩はとにかく喧嘩が強くて、売られた喧嘩はなんでも買っていたから
いつのまにか周りから不良と言われるようんいなっていた。
でも名前先輩はとても優しかった
誰にでも優しかったから、クラスのやつらにも不良仲間にも慕われていた。

「なんかよォ、名前センパイってお前には特別優しいよなァ」
億泰がそんなことを言った。
その時つい、舞い上がってしまって休日にも関わらず名前先輩の家に遊びに行った。
勿論、億泰は置いてきた
ピンポーン、と聞き慣れた音を鳴らすとドタドタと急いでいる様子の足音が聞こえる。


「は、はーい。…ってなんだ、仗助か」
「…せ、せんぱ…。その恰好…」
先輩はいつも制服か兄のお下がりの服を着ていた、
だが今日は違う、白いシャツに薄いレースのカーディガンをはおり
小花柄のかわいらしいミニスカートを着ている。
髪もいつもと違い下していて、化粧もしている
こんな名前先輩を見るのは初めてで、つい動揺した。

「あぁ、これ…見られちまったなぁ。変じゃないか?」
「へ、変じゃないです!かわ…」
「かわ?」
「かわ…、かわいい…スカートですね」
う…、ここは素直に可愛いって言うところだろォ〜〜…
自分の不甲斐なさに落ち込みつつも、にやける口を押さえながら名前先輩を眺める
いったいこんな格好でどこへ行くのだろうか。家族で外食?親戚の集まり?誰かの記念日とか?

「まぁ私の趣味じゃないんだけどよー
今日着てきてくれっていうからさぁ」
「え、誰が…ですか?」

「名前さん、準備できた?」
振り返ると見知らぬ男、誰だこの男。
この爽やかそうな外見からして不良とは思えない
名前先輩のクラスメイトと考えるのが妥当だ。
ただ今気になるのは”この人が名前先輩にとっての何者なのか”ということだ

「…この人誰ですか。」
「あぁ、この人は」
「どうも。名前の彼氏です
君は…後輩くんかな?」
ニコリと微笑む名前先輩の彼氏と名乗る男
信じられない、いつの間にそんな男ができたというのか
今までそういった話なんか一回もしたことはなかったのに。

「…み、水臭いっスよ〜名前先輩。
恋人ができたんなら言ってくれてもいいじゃないっスか」
「いやぁ、なんか恥ずかしくてさ」
じゃあもう行くわ、と男と肩を並べ歩き出す。
彼らはきっと映画館とか、遊園地とか水族館とかにでも行くのだろう

憎い。…ずっと俺が欲しかったものをあの野郎簡単に奪い取っていきやがった


「取り返さねぇと…。」
怒りに任せ、近くの電柱に思い切り殴る
スタンドも使わないで壊せるはずもなく、逆に俺の拳から血が出た。







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