甘え太郎  




付き合ってからわかったことだが承太郎の恋人である名前は生粋のオタクというやつだ。
ジョセフも漫画やらが好きだったから違和感こそないが
承太郎にとっての問題はそこではなく
名前が全く承太郎の顔を見ないことだ。
気が付くとアニメ、漫画、ゲームに目が言ってる

「あー…イケメン過ぎてつらいぃ…もう二次元いきたい」

今は乙女ゲームという恋愛シュミレーションゲームをやっている
承太郎が前に俺がいるのに何やってるんだとそのゲームを叩き折ったら本気で怒られ一ヵ月も口をきいてくれなくなったことがあるため、
承太郎は名前の逆鱗に触れてはいけないと、名前の趣味には一切触れないのが自分の中での掟となっている。

「おい、名前」
「んー?」
「…たまには外行かねぇか」
「嫌だよ!今夏だよ!
私夏は極力外にでないニート生活をすると決めているの!!」
「…そ、そうか」

そんな剣幕で言われては返す言葉がない。
承太郎はどうにかして名前がこちらを向かせたいのだが
名前は相変わらずあぐらをかきながらゲームに夢中だ。

「じゃあたまにはトランプとかやろうぜ」
「えー…二人でトランプって」
「……。」

それまた失敗。
名前は承太郎の様子が少しおかしいとチラリと視線をやると
眉を少し下げ、なんとも寂しそうな承太郎がこちらを見つめている。

(犬か…!)

名前は承太郎の可愛さあまり一通り悶えると
ゲームの電源を消して両手を広げる。

「おいで、承太郎。」

そう言うと承太郎はのそっと体を起こし
両手を広げた名前を力いっぱい抱きしめた。

「私ゲームよりも承太郎が好きだからね」
「…そうか。」

名前の言葉が嬉しいのかぐりぐりと名前の首筋に顔をうずめる
それがまた愛しくて名前も承太郎の力強い胸板に顔を埋めた

(ゲームしばらく控えよう…)

と心の中で誓う名前だったが
明日には普通にゲームの続きをしていた。







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