「あー、もう承太郎好きすぎて辛い…。」
「……。」
「もうなんでこんなにかっこいいの意味わかんないわ」
「……。」
「あーもう結婚したい」
「そろそろ黙れ、名前…」
私が承太郎への愛を呟いていたら本人からのお叱りをうける。
うむ、愛する承太郎が黙れというなら黙ろう、今日から私は承太郎好みの大人しいヤマトナデシコになろう…。
「……。」
「……。」
決して広くはない私の部屋で二人とも黙ってしまうと圧迫感すごい。
そう言えばなんで用もないのに承太郎私の家にきたんだろう、不思議っすなぁ
まぁ私は今日も承太郎の男前が見られたんで今日一日ぱっぴーですわ。
「おい。」
「……。」
ど、どうしよう。承太郎から話しかけられた…!
でも黙ってろって言われたし…!
「…もう話していい、お前は賑やかな方がいい。」
少し承太郎に呆れ気味に言われたところで「ぷはっ」と息を吐く。
「お前息も止めてたのか」
「少しでも静かな方がいいかなと」
馬鹿だろ、とまたお叱りをもらってしまった
私は承太郎を怒らせることしかしないなぁ…
今度こそ反省の念を示すと承太郎の顔が近づいてきて頭にポンと手をのせられる。
「…あれは、その。恥ずかしかったんだ
お前が好きだのなんだの…」
「えっ!じゃあ赤くなってたのって怒ってたんじゃなくて照れてたの!?」
そう言うと承太郎はまた耳まで顔を赤くして帽子を深くかぶってしまう
なんだ…承太郎怒ってたんじゃないんだ。よかった
「だが…まあ結婚のことは俺も真剣に考えて…」
「え?なんて?」
しまった、つい喜びで承太郎の話を聞いていなかった。
ついでに今日の晩御飯なににしようとか考えてたわ、どうしよう
「もう一回、わんもあ」
「…あ゛ぁ!?」
「ひぃっ!!」
怖い!怖いってその顔!
その顔クマも顔面でやっつけられるよ!やっぱ怒ってる!承太郎怒ってる!
しかもなんかめっちゃ顔赤い!これはさすがに怒りで赤くなってるんだよね!?
「ごめんなさいぃー!」
自分の家にも関わらず恐怖で部屋を飛び出てしまった。
そしてちゃっかり財布ももっていったので夕飯の買い出しをしよう
☆
「ただいまー」
「…おい、どこいってた心配しただろ。」
「ご飯の材料買ってきてた、承太郎今日食べてく?」
「…あぁ。」